2006 Fiscal Year Annual Research Report
上腕骨離断性骨軟骨炎の軟骨欠損に対する自己骨髄間葉系細胞移植療法の確立
Project/Area Number |
18591659
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
加藤 博之 信州大学, 医学部, 教授 (40204490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇谷 滋之 大阪市立大学, 医学部, 講師 (70243243)
大串 始 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング部門, 研究グループ長 (80213669)
高原 政利 山形大学, 医学部, 助教授 (10236341)
角谷 眞澄 信州大学, 医学部, 教授 (40115225)
村上 成道 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (50334892)
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Keywords | 軟骨再生 / 肘関節 / 骨髄間葉細胞 / MRI診断 |
Research Abstract |
現在までに自己骨髄間葉系細胞移植による肘離断性骨軟骨炎の治療を臨床例4例に施行した.術前に、MRI,肘関節鏡より病巣部が遊離あるいは弁状に遊離している例を選択した.移植手術は肘関節の外側を展開し、病巣部を切除して母床骨髄を充分に新鮮化した.移植手術の17日前に本人の腸骨から骨髄血を採取し、分担研究者の産業総合研究所内のCPCにて接着細胞を10^7cellまで継代培養し増殖させてコラーゲン・ゲルに包埋した.コラーゲン・ゲルを肘の病巣部に移植し、さらに骨膜で被覆した.術後18カ月以上経過した3例の臨床成績、X線像、MRI、関節鏡及び組織所見について調査した.年齢は13歳が1例、14歳が2例であった。全例で疼痛は消失し、可動域制限は軽快した.肘機能評価法:スポーツの点数は68-71点であった。スポーツ競技あるいは趣味の野球は支障なく行えている.X線像では全例で上腕骨小頭に骨掻爬部に骨形成が認められた.MRIでは上腕骨小頭の関節面は健常軟骨と同一の信号強度を有する部分とそれより低信号の部分が混在していた.肘関節鏡でsecond lookを行った2例では関節面は軟骨様に被覆されていた。1例で生検を施行し、組織学的に硝子軟骨の再生が確認された。本手技による合併症や副作用などの有害事象は認められなかった.現在英文論文を作成中である. また以前に行った肘離断性骨軟骨炎に対するmosaic plasty8例の治療成績を調査し、7例がMRIでの改善がみられたが、mosaic plasty例には膝関節の一過性水腫発生など採取部の問題があることが判明し、現在調査中である. 骨髄間葉系細胞移植法における肘軟骨再生の臨床治療を推進する為に、平成18年11月に当院附属病院に完全無人化の細胞培養治療センター(CPC)を設置した.平成20年度からは本センターでの細胞培養を予定している.
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Research Products
(3 results)