2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞におけるXI型コラーゲン発現制御機構の解明
Project/Area Number |
18591664
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
松井 好人 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 環境影響部門, 研究員 (80335348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 周久 大阪大学, 保健センター, 助手 (62347000)
村瀬 剛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50335361)
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Keywords | 骨芽細胞 / 再生医学 / コラーゲン / 発現制御 / 分子生物学 |
Research Abstract |
Saos-2(ヒト骨肉腫由来骨芽細胞様細胞株)、初代培養骨芽細胞について、RT-PCRによりXI型コラーゲンの遺伝子発現を調べたところ、α1鎖およびα2鎖が検出された。そこで、両者の発現誘導に重要であると思われるSp1結合部位について研究を続行し以下の知見を得た(JBMR2006)。 (1)Electrophoretic mobility shift assay(ゲルシフトアッセイ)を行った。細胞の核からたんぱく質を抽出し、3つのSp1結合部位について^<32>Pで標識したDNAオリゴプローブと反応させ、ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動を行った。さらにSp1ファミリー(Sp1、Sp3など)に対する抗体を用いてスーパーシフトアッセイを行い、結合する核内たんぱく質を同定した。骨芽細胞においてはSp1、Sp3に加えてSp7(Osterix)が複合体を形成している可能性が示唆された。 (2)Chromatin immunoprecipitatin assay(ChIPアッセイ)を行った。細胞のDNAとクロマチンを架橋してDNAを断片化し、クロマチンを精製してSp1ファミリー(Sp1、Sp3など)に対する抗体と免疫沈降し、PCR法によりXI型コラーゲン遺伝子のプロモーター領域を増幅した。骨芽細胞においてはSp1、Sp3に加えてSp7(Osterix)がin vivoでプロモーター領域に結合している可能性が示唆された。 (3)Sp1ファミリー(Sp1、Sp3など)の過剰発現実験を行った。哺乳類細胞での発現ベクターを作成、骨芽細胞に遺伝子導入してレポーターアッセイやリアルタイムRT-PCR法により、XI型コラーゲン遺伝子のプロモーター活性や遺伝子発現量を調べたところ、骨芽細胞においてはSp1、Sp3に加えてSp7(Osterix)がXI型コラーゲン遺伝子の発現を正に制御していた。 (4)Sp1ファミリー(Sp1、Sp3など)結合たんぱく質の免疫沈降法による探索を行った。転写コファクターであるCBP、 p300、HDAC、 mSin3などが上記の転写因子複合体に含まれている可能性が示唆された。
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