2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系幹細胞を用いた靭帯・腱付着部の構造再生に関する研究
Project/Area Number |
18591673
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高倉 義典 Nara Medical University, 医学部, 教授 (40094578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康仁 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30316070)
熊井 司 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40382288)
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Keywords | 腱・靭帯骨付着部 / 再生医療 / 間葉系幹細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
前年度までに腱・靭帯骨付着部の損傷モデルを作成し、その修復過程の経時変化を組織学的、免疫組織学的に観察し、明らかにした。 本年度は腱・靭帯骨付着部の損傷に対する修復を促進させるために欠損部に骨髄間葉系細胞の投与を行った。家兔の前肢肩関節に欠損を作製後、骨髄間葉系細胞を投与した投与群と、欠損部に何も投与しないコントロール群と比較した。結果としては、組織学的および形態計測学的、免疫組織学的に評価を行ったが、投与群とコントロール群との間に修復過程および修復速度など、明確な相違は確認てきなかった。投与のタイミング、骨髄間葉系細胞のスカフォールドの検討等を行い、再試行したが、今回の実験では有意な相違は得られなかった。 また腱・靭帯骨付着部の損傷に対する修復過程には骨髄からの何らかの応答が重要であることを示すために、家兎の膝関節を用いて損傷に対する骨髄からの応答を観察した。家兎の膝蓋脛骨付着部にドリリングを腱・靭帯骨付着部から骨内までドリリングを行うことで、組織学的観察では約2週の時点で損傷部に骨髄内からの炎症細胞の浸潤および血管の侵入が著明に認められ、4週で欠損部への細胞の充填を、12週で腱・靭帯骨付着部の構造が再生されていることが明らかになった。 つまり腱・靭帯骨付着部の損傷に対する修復には骨髄からの働きかけが重要であると言える。今回行った骨髄間葉系細胞の投与予測された結果を示すことができなかったが、骨髄間葉系細胞が腱・靱帯骨付着部の修復を促進させる可能性は十分にあると考えられ、今後も引き続きスカフォールド、投与時期、投与位置(欠損部に直接投与か?修復時に反応する周囲組織に投与か?)などを検討する必要があると思われる。
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Research Products
(11 results)