2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨組織のI型コラーゲン架橋と骨質に関する実験的研究
Project/Area Number |
18591676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
市村 正一 杏林大学, 医学部, 助教授 (00159849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸野 秀人 杏林大学, 医学部, 助手 (70398600)
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Keywords | 外科 / 骨質 / コラーゲン架橋 / 骨髄 |
Research Abstract |
1.18羽の日本白色家兎(4-5ヵ月齢、約2.5kg)の脛骨中央部に骨切りを行い、創外固定(Orthofix M-100)を装着した。 2.骨切り後7日間待機してから骨延長を開始し、1日に2回、各0.35mmづつ骨延長(0.7mm/日)を行い、2週間で9.8mm延長した。 3.骨延長開始時からβ-aminopropionitrile(BAPN)を1mg/kg、および2mg/kgを各6羽に2週間毎日腹腔内投与し、残りの6羽は対象群としてvehicle(生理食塩水)のみ同様に投与した。 4.骨延長終了後4週で創外固定を外し、さらに1週後に屠殺した。それまで経時的にX線撮影を行い、新生骨の形成についてX線学的に検討した。 5.結果:8週間の体重の増加は対象群、BAPN 1mg/kg群、BAPN 2mg/kg群はそれぞれ540g、200g、90gで、BAPN群では低い傾向にあった。X線による骨癒合は対象群とBAPN 1mg/kg群は全例骨癒合したが、BAPN 2mg/kg群は2例のみに骨癒合が得られ、あとの4例は偽関節となっていた。摘出した脛骨骨密度(DXA)は対象群とBAPN 1mg/kg群で有意差はなかった(388.2と373.9mg/cm^2)。3点曲げ試験では対象群とBAPN 1mg/kg群はそれぞれ170.1、284.5N.mmで、BAPN群でむしろ高い傾向にあった。 6.考察:BAPNの骨延長における化骨形成への影響は今回の実験結果からは明らかにできなかった。特に、2mg/kg投与群では多くが偽関節となっており、骨密度や力学的評価が出来なかった。このため、次年度では2mg/kg投与群の実験結果の再現性を確認する必要がある。
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