2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨組織のI型コラーゲン架橋と骨質に関する実験的研究
Project/Area Number |
18591676
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
市村 正一 Kyorin University, 医学部, 准教授 (00159849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸野 秀人 杏林大学, 医学部, 助教 (70398600)
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Keywords | 骨延長 / 骨新生 / β-aminopropionitrile / コラーゲン架橋 / 創外固定 / 家兎 / 脛骨 |
Research Abstract |
1.昨年度と同様の方法で10羽の日本白色家兎を2週間骨延長した。 2.骨延長開始時からβ-aminopropionitrile(BAPN)2mg/kgを5羽(BAPN群)に2週間毎日腹腔内投与し、残りの5羽は対象群としてvehicle(生理食塩水)のみ同様に投与した。 3.骨延長終了後2週で創外固定を外し屠殺した。それまで経時的にX線撮影を行い、新生骨について骨密度を測定した。 4.結果:対象群5羽中に死亡と創外固定ピンの破損が各1羽あり、評価できたものは3羽であった。一方、BAPN群5羽中ピンの破損は1羽であった。体重の増加はBAPN群で低い傾向にあったが対象群と有意差はなかった。X線上対象群の3例は骨癒合したが、BAPN群は2例のみに骨癒合が得られ、あとの2例はピン刺入部で骨折していた。摘出した脛骨骨密度(DXA)は対象群3例の平均は418.0mg/cm2であったが、骨折しなかったBAPN群2例の平均は244.0mg/cm2と対象群よりも明らかに低かった。 5.考察:昨年度BAPN 1mg/kg投与群では対象群と骨密度や力学的検討で有意差がなかった。このため今年度は2mg/kg投与群のみ作成し、かつ延長後直ちに屠殺した。昨年同様に2mg/kg投与群では対象群には見られなかった骨折例が多く、また体重差がないにも関わらず骨新生は乏しく明らかに骨密度が低かった。骨折については技術的な要因も否定できないが、昨年度の2mg/kg投与群の結果も考慮すると、コラーゲン架橋を阻害するBAPNは骨新生に明らかに負に作用しているものと推察された。このため、次年度では2mg/kg投与群の数を増やし、力学的検討と共に、新生骨の組織像やコラーゲン線維の生化学的検討を予定する。
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Research Products
(2 results)