2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591684
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 仁 Hirosaki University, 医学部・附属病院, 助教 (00374843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛方 哲也 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (80250603)
廣田 和美 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20238413)
工藤 美穂子 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30003411)
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Keywords | 脳・神経 / 全身麻酔 / 睡眠 / 脳波 / 内因性睡眠物質 |
Research Abstract |
全身麻酔と睡眠はどちらも意識を低下させることから、以前より相互の関係が注目されている。全身麻酔の意識の状態を評価する時、脳波の高振幅徐波化は重要な点の一つであり、同様の変化はノンレム睡眠中にも見られる。tumor necrosis factor(TNF)α等の睡眠関連物質の大脳皮質での変化は脳波の高振幅徐派化の程度に深く関連しているため、全身麻酔中の脳波の変化に睡眠関連物質が関わっていることが考えられる。 雄性SD系ラットに脳波電極を左右対称の位置に留置し、電極の直下の硬膜と大脳皮質の間にガイドカニューレ先端が位置するよう固定した。ガイドカニューレより20%リドカイン2μl投与すると、麻酔下による脳波の活動が低下した。手術後回復期間を置き、23時間の脳波を測定し、覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠に分類した。翌日暗期開始時、大脳皮質上にTNFαを150ng/2μl投与した。脳波を3時間測定後、プロポフォール麻酔し脳波麻酔時間と脳波の測定をした。正向反射の消失時間は9分程度で、麻酔時間は10から18分程度だった。脳波の変化は現在検討中である。 睡眠時の脳波の活動と大脳皮質の睡眠関連物質は、覚醒時の活動に依存する。覚醒時に片方の手を刺激し続けると、続いての睡眠時に、反対側の対応する部位から導出された脳波の活動が増加する。また、ラットのヒゲを片側だけ刺激し続けると、反対側の対応する大脳皮質の睡眠関連物質が増加する。臨床において、睡眠関連物質である炎症性サイトカインが局所で上昇する場合として、脳梗塞が予測される。我々は、片側脳梗塞患者の麻酔中、脳波モニターであるBISが健常側に対して梗塞側で低下することを発見した。脳波波形は左右対称に見えるが、周波数解析による徐波成分の増加が確認された。このことは、本研究で仮定している麻酔中の脳波変化が臨床でも起こりうる可能性を示唆している。
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Research Products
(1 results)