2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ糖希釈法による体液量評価の検討ー予後改善効果
Project/Area Number |
18591685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
石原 弘規 弘前大学, 医学部, 助教授 (50111224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪 敏仁 弘前大学, 医学部附属病院, 助教授 (30133870)
大川 浩文 弘前大学, 医学部, 講師 (40322953)
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Keywords | ブドウ糖初期分布容量 / 輸液管理 / 予後 / 集中治療 |
Research Abstract |
研究目的 少量のブドウ糖投与後、5分以内に簡単に算出可能なブドウ糖初期分布容量(IDVG)は重症患者における心臓前負荷の新たな間接的な指標とされる。今回、IDVGを指標とし輸液管理する群(IDVG群)と従来の循環系パラメータを指標として輸液管理する群(対照群)に分け、ICU滞在中の低血圧等の合併症発生、滞在日数、予後等が改善されるか否か検討している。 平成18年度の実績 平成18年度は購入したブドウ糖測定装置が実際使用可能となった18年10月よりデータ収集を開始した。即ち、研究のインフォームドコンセントが得られたICUの成人患者でICU滞在が3日以上の患者を対象として、無作為に両群に分けた。IDVG群では入室日から1週間目までIDVGを少なくとも連日測定し、日々の体液管理の指標とし輸液量、循環作動薬、利尿薬使用を決定した。対照群ではIDVG以外は通常の指標を用いて体液管理を行った。術後患者、非術後患者を含め平成19年3月末日まで、IDVG群は計38名、対照群は計37名であった。患者の重症度を示すAPACHE IIスコアはIDVG群で22±6(SD)点、対照群で20±5点であり、現在まで重症度に有意差は認められず、順調にデータ収集が進んでいる。IDVG測定が患者管理に有利か否か未だ現段階では統計処理するにはデータ数が不足しており、また種々の病態が異なる患者が多く、結論は19年度に持ち越さざるをえない。現在までのところIDVGを指標として行った場合、患者の輸液管理が危険な方向に導かれ、ICU専任医師、主治医等から危険と判断され、IDVG指標とした輸液管理を中止せざるをえない場合は経験していない。今後も現在のデータ収集を続けていくが、最終的な処理では、各患者の病態が大きく異なる場合が多く、病態をグループ分けして検討する予定である。
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