2006 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性脳傷害におけるRhoキナーゼ阻害薬の効果および他薬との併用効果
Project/Area Number |
18591687
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合谷木 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (30302277)
木村 哲 秋田大学, 医学部, 助手 (00312702)
長崎 剛 秋田大学, 医学部, 助手 (60292380)
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Keywords | Rhoキナーゼ阻害薬 / 虚血性脳傷害 / ファスジル / 前脳虚血モデル / neurological deficit score / 海馬CA1領域 |
Research Abstract |
【目的】ラット一過性前脳虚血モデルを用いてRhoキナーゼ阻害薬(ファスジル)の脳保護効果を神経学的ならびに組織学的に検討した。 【対象と方法】雄性Sprague-Dawleyラット(300-400g)27匹を対照(C)群(生食1ml/kg)、ファスジル3mg/kg(F3)群、およびファスジル10mg/kg(F10)群の3群に分け、生食または薬物を1日1回、2日間(計2回)腹腔内投与した。ラットをハロタン・亜酸化窒素麻酔下に気管挿管し調節呼吸とした。尾動脈、大腿静脈、右頚静脈にカテーテルを留置し、心電図電極、脳波電極、体温プローブ(側頭筋)を装着後、亜酸化窒素・フェンタニル(1μg/kg/h)・パンクロニウムで麻酔を維持した。脳血流量を頭頂部の脳表に設置したレーザー血流計にて測定した。側頭筋温を37.5℃に維持した。両側頚動脈閉塞と脱血による低血圧(収縮期血圧40〜50mmHg)により前脳虚血状態(平坦脳波)とし、10分後、両側頚動脈閉塞解除と返血により脳の再灌流を行った。麻酔から覚醒させた後、カテーテル、モニター類を抜去した。虚血1、2、および3日後に神経学的検査(Neurological deficit score, NDS)による評価、0〜18点:正常=18点、重度障害=0点)を行った。前脳虚血3日後に、ペントバルビタール(100mg/kg腹腔内投与)麻酔下で、4%パラホルムアルデヒド液にて脳を灌流固定した。脳冠状切片をヘマトキシリン-エオジン染色し、光学顕微鏡的に海馬CA1領域の生存および死亡細胞数を調べた。数値は中央値または平均±標準偏差で示した。 【結果】NDSは、虚血1日後と3日後で群間に有意差を認めた(1日後;C群:10点、F3群:12点、F10群:13点、3日後;C群:14点、F3群:15点、F10群:18点)。海馬CA1細胞の生存率は、C群と比べF3、F10群で有意に高かった(C群:24±5%、F3群:50±6%、F10群:52±4%、p<0.05)。 【結語】ラット一過性前脳虚血モデルにおいて、Rhoキナーゼ阻害薬であるファスジルの3および10mg/kgの虚血前腹腔内投与は、神経学的及び組織学的に脳保護効果を有することが示唆された。
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