2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経機能画像でみる虚血性ニューロン障害へのP/Q型カルシウムチャネルの関与
Project/Area Number |
18591692
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤原 直士 Niigata University, 医歯学系, 教授 (70181419)
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Keywords | 大脳皮質 / 海馬 / 細胞内カルシウム / P / Q型カルシウムチャネル / GABA_A受容体 / ω-アガトキシン / サイアミラール |
Research Abstract |
今年度は、P/Q型カルシウムチャネルと神経細胞障害との関連を膜電位画像法により解析し、虚血障害や麻酔薬による興奮抑制の部位差についても検討した。 1)無酸素・無グルコースを-過性に負荷したマウス脳切片の神経細胞障害におけるP/Q型カルシウムチャネルの関与について検討した。大脳皮質、海馬のいずれも無酸素・無グルコースを負荷しない切片では、作製から20時間後でも刺激に応答する興奮伝搬が認められた。P/Q型カルシウムチャネル拮抗薬ω-アガトキシンIVA(200 nmol/1)を共存させて無酸素・無グルコースを負荷した場合、および、5分間の無酸素・無グルコース負荷後にω-アガトキシンIVA存在下で10分間インキュベートした場合のいずれにおいても、酸素化クレブス液中で18〜20時間室温保存後には脳切片の興奮伝搬は消失し、ω-アガトキシンIVAの有無による興奮伝搬機能消失への影響は認められなかった。すなわち、無酸素・無グルコース負荷時または負荷直後にP/Q型カルシウムチャネルを遮断しても、神経細胞障害を抑制できないことが示唆された。 2)5分間の無酸素・無グルコース負荷による神経興奮伝搬の減弱は、大脳皮質よりも海馬において著明に観察され、虚血による海馬神経細胞の脆弱性とも一致した。 3)GABA_A受容体修飾薬であるサイアミラールは大脳皮質の興奮伝搬を抑制したが、海馬では有意な抑制効果を示さなかったことから、大脳皮質の興奮抑制がサイアミラールの麻酔作用機序として重要であることが裏付けられた。
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