2007 Fiscal Year Annual Research Report
in vivoパッチクランプ法による吸入麻酔薬の脊髄における不動化作用機序の解析
Project/Area Number |
18591693
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
馬場 洋 Niigata University, 医歯学系, 教授 (00262436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 綾子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70419331)
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Keywords | 全身麻酔薬 / パッチクランプ / in vivo / セボフルラン / イソフルラン |
Research Abstract |
平成19年度は同様に膠様質細胞からin vivoバッチクランプ記録を行い、後肢の痛み刺激で誘発されるGABAやglycineを介する抑制性伝達に対する1MACイソフルランの影響を観察した。膠様質細胞からパッチクランブ記録を行い、膜電位を0mVに固定し、抑制性シナブス後電位のみが記録されるようにした状態でラットの1MAC相当の濃度のイソフルラン(1.5%)の吸入投与及び1.5%イソフルランを含んだクレブス液の脊髄表面への灌流投与を行った。 膜電位0mVでは後肢に刺激を与えなくても発生する自発性抑制性シナプス後電位(IPSC)が記録された。このIPSCにはGABA作動性IPSCとglycine作動性IPSCの両方が混在していた。後肢皮膚の痛み刺激(pinch刺激)により、膠様質細胞に自発性IPSCより振幅の大きい連続するIPSCが誘発された。この誘発性IPSCは刺激をしている間は減弱することはなかった。イソフルラン(1.5%)の吸入投与を開始して10分後に同様の痛み刺激を与えるとやはり投与前と同様の連続したIPSCが記録され、その発生頻度には有意な変化はなかった。しかし、個々のIPSCの持続時間が延長し、刺激中のIPSCの総電流量は増加した。1.5%イソフルランを含んだクレブス液の脊髄表面への灌流投与によっても同様の結果が得られた。 以上の結果から、イソフルランは痛み刺激による興奮性伝達には影響しないが、抑制性伝達には若干の増強効果があることがわかった。今後は膜電流固定化に同様の実験を行い、膠様質細胞の活動電位発生頻度に対する作用を観察し、膠様質細胞の活動性に対する総合的な作用を調べる必要があると考えられる。
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Research Products
(3 results)