2007 Fiscal Year Annual Research Report
聴診音リアルタイム三次元カラー可視化技術の臨床導入
Project/Area Number |
18591699
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 重仁 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (30143176)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 義人 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (00135253)
牧野 洋 浜松医科大学, 医学部, リサーチアシスタント (10397408)
|
Keywords | 聴診音 / 三次元可視化モニター / 心雑音 / 呼吸音 / 学生教育 / 臨床応用 |
Research Abstract |
最初に音声可視化装置の聴診教育への応用について研究した。音声を高速フーリエ変換し,Power-Frequency-Timeの三要素に分解し,三次元カラー波形として表示できるモニター(音声三次元可視化装置;VisiStetho)を作成した。本装置を用いた心雑音の聴取に対する教育法は医学生に好評で,II音分裂やIII音,および各雑音のピッチの違いについて特に理解しやすいことが判った。実際に学習前後で本装置の有無で試験をしたところ,一回目試験では,両群間に差を認めなかったが,2回目試験では,可視化群が有意に高成績であった(P<0.05)。聴診の授業において,本装置を用いた方が従来型の音を聞かせるだけの授業より理解が得られた。音声可視化装置は,今後普及が進めば学生への聴診教育に有用であると思われる。 次の研究として,呼吸音の可視化を小児の気管内挿管時に利用する方法への応用を試みた。小児の全身麻酔で,気管チューブが深すぎると片肺挿菅となり呼吸不全をもたらす。一方,浅すぎると換気不能になり,患者は危険な状態となる。予防のため通常は左右どちらかの気管支へ一度チューブを進め,両肺野の換気音を聴取しながら気管チューブ抜いてきて,両肺野の呼吸音が等しく聞こえてからチューブを固定している。しかしこの方法は1人の麻酔科医では不可能で介助者が必要となる。三次元可視化装置でこの操作を客観的に確認する方法を検討した。マイクロフォンを内蔵した金属製ドーム型聴診器を両肺野に密着させ,パソコン上のモニターへ換気音を描出した。気管内チューブを進めると右主気管支へ入り呼吸音はモニター画面から消失した。チューブを静かに引き抜いて両肺換気ができると両側のモニターに呼吸音が描出され,従来の聴診法よりも簡便で客観性にすぐれることが判った。
|