2007 Fiscal Year Annual Research Report
デクスメデトミジンの心筋保護効果(心臓マイクロダイアリシス法によるアプローチ〉
Project/Area Number |
18591700
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
北川 裕利 Shiga University of Medical Science, 医学部, 助教 (50252391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 登自 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20116122)
秋山 剛 国立循環器病センター, 心臓生理部, 室長 (70202554)
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Keywords | 生理学 / タンパク質 / ストレス / 虚血再灌流傷害 / 鎮静薬 / ミオグロビン / 心筋保護 / 麻酔薬 |
Research Abstract |
我々は日本白ウサギに心臓マイクロダイアリシス法を適用し,虚血期および再灌流期それぞれの心筋傷害をin vivoの状態で鑑別できる方法を確立してきた。初年度に心臓マイクロダイアリシス法による虚血による心筋間質逸脱蛋白質や逸脱酵素濃度応答を測定し,ミオグロビンが心筋細胞膜傷害の鋭敏な指標として最適であることを突き止めた。その結果に基づき吸入麻酔薬のイソフルランによる心筋傷害抑制効果を検討し論文に発表した。要約すると1MACのイソフルランを冠動脈閉塞時前に投与した場合,冠動脈閉塞による心筋傷害が抑制された。また,その効果はイソフルランの暴露様式により異なり,イソフルラン30分を1回暴露した場合は再灌流傷害のみの抑制,また30分2回暴露した場合は虚血および再灌流傷害ともに抑制することを証明した。また,吸入麻酔薬(セボフルラン)の暴露時期と心筋保護効果・麻薬(レミフェンタニル)投与と心筋保護効果の関係についての知見を国際麻酔学会議で発表した(平成20年3月)。2年目である本年度は,デクスメデトミジンによる心筋傷害抑制効果を検討し,冠動脈閉塞前に前処置することで虚血期・再灌流期の心筋傷害をともに抑制することが確認できた。現在はデクスメデトミジンの投与時期・投与量・併用薬による心保護効果に対する影響を確認中である(一部結果は平成20年6月の日本麻酔科学会総会で報告予定)。また,同時にデクスメデトミジンによる徐拍化作用が心筋保護効果の主メカニズムと仮定しβ-blockerやbradycardiac agent等による比較検証を行ったが,肯定的なデータは得られなかった。そのためα_2-blocker前処置による心保護効果の影響や心臓自律神経による修飾効果を検討し始めたところである。最終的には吸入麻酔薬や麻薬と組み合わせて心筋保護効果が期待できる麻酔方法を確立したい。
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Research Products
(3 results)