2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳由来神経栄養因子のプロモター配列に対するsiRNAを用いた鎮痛法の開発
Project/Area Number |
18591703
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 哲文 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40362975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 正尚 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20158380)
板野 義太郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30127542)
森田 潔 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40108171)
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Keywords | 脳由来神経栄養因子 / siRNA / 難治性疼痛 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、脳神経由来神経栄養因子(BDNF)の中で痺痛時に特異的に増加しているエクソンであるBDNFエクソン-1に対するsiRNAの効果の確認を目指した。 まず、作成した2種類のsiRNAをラット脊髄内に投与して、その鎮痛効果を確認する研究では、投与時期をさまざまに変えてみた。その結果、ラットで炎症物質(CFA)投与の7日前と2日前の2回でsiRNAを投与すれば疼痛行動が抑制することが観察された。次にその投与量に関して、高容量と低容量で効果を観察したが、その行動に有意な差は無く、両群ともある程度の疼痛行動の抑制が認められた。 疼痛行動の効果が予想以上に小さいため、培養細胞を用いてsiRNAが転写を完全に抑制していることを確認する実験を次の確認作業として実施した。すなわち、培養後根神経節細胞においてまず、BDNFの産生を神経成長因子(NGF)で刺激して、いかなる変化が見られるかを観察した。その結果、高容量のNGFで培養後根神経節細胞を刺激すると刺激6時間目をピークとしてBDNFの著明な増加が観察できた。また、その際特異的に増加しているエクソンがエクソン-1であることもPCRで確認できた。 そこで、NGFで刺激した培養後根神経節細胞でsiRNAを投与してBDNFエクソン-1の産生抑制を期待して観察した。その結果、2種類の作成したsiRNAのBDNF産生抑制効果は有意ではあるが完全ではないことが確認された。すなわち、今回作成したsiRNAの疼痛抑制効果が十分でないことは、BDNF産生抑制が不十分でで可能性を示した。以上の内容は論文、また学会で発表しsiRNAを使用してのBDNFエクソン阻害による鎮痛効果の限界を明らかにした。
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Research Products
(10 results)