2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性高熱症、致死的不整脈に共通したリアノジン受容体異常の分子学的解明と治療
Project/Area Number |
18591706
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小林 茂樹 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 助教 (90397993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 健 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50363122)
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Keywords | 内科 / 心不全 / リアノジン受容体 / ダントロレン / 不整脈 |
Research Abstract |
CPVT型突然変異knock-inマウスのSR機能(Ca^<2+>漏出、ドメイン連関)、心機能解析、およびダントロレンの効果をIn vitroおよびIn vivoで評価し、R2474Sのknock-in(KI)マウスにおける致死的不整脈の発現メカニズムを検討した。 ヒトのリアノジン受容体(RyR)突然変異を組み込んだR2474S-KIマウスは、安静時の心機能は正常でまた、病理・形態的にも異常はなかった。しかし、epinephrine負荷またはtreadmill運動負荷により容易に多源性心室頻拍(VTが誘発され、ヒトのCPVTと非常に類似したモデルであることが示唆された。In vitroの実験(Ca spark assay)では、wild typeのマウスに比較して、R2474S-KIマウスでは、isoproterenol負荷で異常にCa sparkの頻度が増大した。 R2474S/+ miceでみられるカテコラミン誘発性多源性心室頻拍は、ダントロレンのin vivo投与(mg/kg ip、7日間)により完全に抑制された。また、R2474S/+マウスの心筋より単離した心筋細胞では、前述のように低濃度のisoproterenolでCa^<2+> spark頻度が増大しdelayed afterdepolarization(DAD)もみられたが、ダントロレン(1 microM)の添加により、それらは完全に抑制された。このことから、ヒトのCPVTは、RyRからの異常なCa漏出が原因となり、細胞内Ca過負荷が生じ、DADや致死的不整脈を誘発することが証明された。大変興味深いことに、RyRからCa漏出を抑制するダントロレンは、CPVTの新しい治療薬となりうることが示唆された。
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