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2007 Fiscal Year Annual Research Report

局所麻酔薬の神経毒性に関する作用機序の解明

Research Project

Project/Area Number 18591709
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

十時 忠秀  Saga University, 医学部, 教授 (20038722)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 垣内 好信  佐賀大学, 医学部, 助教 (70363447)
高崎 光浩  佐賀大学, 医学部, 准教授 (70236206)
Keywords局所麻酔薬 / 神経障害 / 分子会合 / ニューロメータ
Research Abstract

局所麻酔薬(以下局麻薬)は高濃度になるとデタージェント作用を有し、それが局麻薬による神経障害の機序のひとつであると仮説を立てた。それを証明するために、局麻薬の分子会合濃度、リン脂質モデル膜や赤血球を破壊する局麻薬濃度およびラットのくも膜下腔投与で神経障害をきたす局麻薬濃度を求め比較した。用いた局麻薬は現在臨床使用されているジブカイン、リドカインと新しい局麻薬として期待されているアミトリプチリンである。各薬剤の分子会合濃度はイオン電極法、リン脂質モデル膜および赤血球の破壊濃度は光散乱法および波長541nmの吸光度測定で求めた。ラットの神経障害はニューロメーターで求められる皮膚電流知覚閾値として定量される知覚障害の有無に加えてビデオカメラでラットの歩行状態を撮影しその行動異常の有無により評価した。分子会合濃度、リン脂質モデル膜と赤血球破壊濃度および神経障害発現濃度は3薬剤ともにほぼ一致した。局麻薬は高濃度になると一般のデタージェントと同様に細胞膜を可溶化し、その結果不可逆的に細胞構造を破壊すると考えられる。この結果は、可溶化作用が局麻薬による神経障害の機序のひとつであることを強く示唆し、その使用濃度は分子会合濃度(つまりモデル膜や赤血球膜の破壊がデタージェント効果で引き起こされる濃度)よりも十分に低くなければならないことが神経障害を起こさないための重要な条件であることを示唆している。なお、当初の計画では可溶化による膜破壊を走査型電子顕微鏡等で観察する予定であったが、期間内に行えなかった。この計画は今後も続行する予定である。

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Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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