2007 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の中脳ドパミンニューロンカリウムチャネルに及ぼす影響
Project/Area Number |
18591713
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小川 賢一 Yokohama City University, 附属病院, 准教授 (10233412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学研究科, 助教 (90381491)
菊地 龍明 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (70285138)
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Keywords | 電気生理学 / 薬物耽溺性 / 麻酔薬 / ドパミン / 神経興奮性 |
Research Abstract |
本研究では麻酔薬による耽溺性の細胞レベルおよび神経ネットワークでのメカニズム解明の手がかりとすることを目的として、静脈麻酔薬の一つであるpropofolが、薬物依存と関係が深いと考えられている腹側被蓋野(ventral tegmental area; VTA)ドパミンニューロンの興奮性に及ぼす作用を、平成19年度はラット脳スライスにおけるドパミン放出に及ぼす影響と、VTAにおけるシナプス伝達への影響について検討した。 生後17〜25日齢ラットからVTAおよびVTAドパミンニューロンの投射先である側坐核を含む脳スライスを作成しチャンバー内に静置した。人工脳脊髄液(aCSF)に0.5〜50μMのpropofolを加算的に加え還流し、5分毎に分注した。後に高速液体クロマトグラフを用いてaCSF中に含まれるドパミンとセロトニンを定量した。ドパミンおよびセロトニンは検出可能であったが、propofolによるこれら神経伝達物質放出に及ぼす一定の影響は見出せなかった。また、当初計画していた炭素電極を用いたamperometry法による脳スライスに対する神経近傍のおよび側坐核でのドパミン遊離測定は、技術的に困難であり数回の試行の後断念した。 また、生後17〜25日齢ラットからVTAを含む脳スライスを作成し、当研究室に導入された多点皿電極法を用いてpropofolがVTAでのシナプス伝達に及ぼす影響を細胞外電位記録法により検討した。条件設定に時間がかかったため結果をまとめるには至っていないが、ごく低濃度(0.5μM)のpropofolがVTAにおけるシナプス伝達をおおよそ25%程度増強することが明らかになった。現在より高濃度のpropofolによるシナプス伝達への影響を検討している。同時に同システムを用いて長期増強(LTP)を記録することに成功し、propofolのLTPに及ぼす影響を検討中である。 本研究の一部は2007年北米麻酔科学会にポスター演題として発表した。
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Research Products
(1 results)