2007 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疼痛における免疫系、知覚神経系間の情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
18591717
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊吹 京秀 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 講師 (90232587)
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Keywords | 痛覚過敏 / サイトカイン / 炎症 / 中枢神経系 |
Research Abstract |
平成十八年度に続き平成十九年度は以下のような実験結果を得た。 1.サイトカイン受容体、COX-2およびmPGES発現細胞の中枢神経系における詳細な検討 これらの物質に対する抗体および各種蛍光色素ラベル二次抗体を用いて多重免疫組織化学を行い、単一細胞内におけるこれらの局在を検討した。その結果、末梢性炎症時には、中枢神経系血管内皮細胞においてCOX-2およぴmPGESは共存し、その共存率は50%以上であることがわかった。サイトカイン受容体との共存関係は明確には証明されず、今後の検討が必要である。 2.炎症局所におけるサイトカイン産生細胞の同定 炎症側の足趾を採取し免疫組織化学法を用いてIL-1β、TNFα、IL-6の局在を調べた。その結果、線維芽細胞、マクロファージなどにおいてIL-1βの発現を認めた。一昨年の結果によると、炎症部位から中枢神経系への炎症情報伝達因子として、IL-6の可能性が高いことが示唆された。この結果と合わせて、各種サイトカイン間における情報伝達機構の詳細な検討を行う必要がある。 3.末梢性炎症時の脳脊髄液における各種分子の経時的変化を調べたが、さらに中枢神経血管内皮細胞におけるこれら分子の定量を行うために、一昨年は摘出方法を確立したが、昨年はCOX-2およびmPGESの定量を行うための準備段階として、摘出した血管内皮細胞の培養を行うことができた。 以上が平成十九年度の研究実績の概要である。
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Research Products
(1 results)