2007 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疼痛治療の新しいアプローチ、ミクログリアP2X4受容体機能と発現の検討
Project/Area Number |
18591718
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 隆 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 講師 (00336786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 精宣 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20145791)
池下 和敏 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20288898)
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Keywords | ミクログリア / ATP受容体 / P2X4受容体 / 疼痛機序 / 麻酔薬 / プロトンチャネル |
Research Abstract |
本研究は、難治性疼痛機序の発現に関わるミクログリアP2X4受容体の電気生理学的機能、そして受容体発現の誘発物質を明らかにし、さらに麻酔薬および鎮痛薬による機能および発現の制御について検討することを目的としている。平成18年度から継続して、ホールセルパッチクランプ法を用いて、P2×4受容体電流の記録を行い、徐々に安定した記録に近づきつつある。比較的低濃度のATP(100μM付近)で誘起する電流は、TNP-ATPにはブロックされ、PPADsには感受性が低く、P2×4受容体と考えられた。さらにP2×4受容体を増強する作用を持つ物質のivermectinを用いて電流記録を行う予定である。P2×4受容体電流に対する静脈麻酔薬の作用に関して検討を始めており、ケタミン、チオペンタールの投与で抑制を認め、プロポフォールでは抑制は認めていない。イオンチャネル受容体複合体であるP2X4受容体機能を調べるには、パッチクランプ法を用いた電気生理学的方法が適しており、継続して電気生理学的性質および麻酔薬等の作用について検討を行う。 前年度も報告したが、ミクログリアP2X4受容体電流の記録の際に、プロトンチャネルの記録も行っている。中枢神経系のマクロファージであるミクログリアにはプロトンチャネルが豊富に発現しており、食作用というミクログリアの重要な機能において大きな役割を持つ。麻酔薬の免疫細胞への作用も重要な研究課題と考え、検討している。昨年度、局所麻酔薬がミクログリアプロトンチャネルを抑制することがわかり、さらに詳細な検討を行った。その結果、局所麻酔薬が、細胞内pHを上昇させる機序、そしてpHに依存しない機序の少なくとも2つのメカニズムでプロトンチャネルを抑制することがわかった。
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