2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591719
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
菊地 博達 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40034029)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 靖史 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40364781)
劉 天懿 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20406490)
松下 祥 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50167649)
|
Keywords | 悪性高熱症 / 樹状細胞 / リアノジン受容体 |
Research Abstract |
健常人ボランティアの同意を得た上で採血を行い、分離した末梢血単核球(PBMCs)よりCD14陽性モノサイトを磁気分離した。CD14陽性モノサイトにIL-4とGM-CSFを加え、5日間培養することでヒトモノサイト由来樹状細胞(monocyte-derived dendriticcells : Mo-DCs)を誘導した。この未成熟な状態の樹状細胞(immature DC : iDC)に、DCの成熟因子であるlipopolysaccharide (LPS)あるいはプロスタグランジンE_2(PGE_2)+TNFαを添加し、48時間培養することで機能的に異なる2種類の成熟DCを誘導した。これらiDC、LPS-DC、PGE2-DCにおけるリアノジン受容体(ryanodine receptors : RyRs)サブタイプ(1-3型)の遺伝子の発現をRT-PCR法にて評価した。その結果、ヒトDCはこれら3つのサブタイプの中で1型リアノジン受容体(RyRl)遺伝子のみを発現し、特にiDCは成熟誘導された2種類のDCよりも遺伝子発現量が高いことが明らかとなった。また、Fura-2標識したiDCを、RyRアゴニストである4-chloro-m-cresol(4-CmC)、またはATPを用いて刺激し、これにより誘導される細胞内Ca^<2+>上昇を蛍光レシオイメージング法にて評価した。その結果、iDCは4-CmC刺激に対して、細胞内Ca^<2+>ストアに由来する一過性の細胞内Ca^<2+>上昇を示した。この現象は、RyR阻害薬であるダントロレンによって阻害されたが、IP_3受容体阻害薬であるゼストスポンギンCでは阻害されなかった。ATPは、細胞表面のP2Y受容体にも作用し、その下流でIP_3受容体を介したCa^<2+>上昇を誘導することが知られているが、ダントロレン存在下ATP刺激した場合でも細胞内Ca^<2+>上昇のほとんどが阻害された。しかし、ゼストスポンギンCを用いた場合では阻害効果が認められなかった。以上をまとめると、1.ヒトDCには機能的なRyRlが発現する。2.ATP刺激により誘導される細胞内Ca^<2+>上昇にはRyRを介したCa^<2+>移動が重要な役割を果たしている。現在、RyRアゴニスト刺激により特異的に誘導されるDC応答性を、これが産生する液性因子の観点かち解析を進めている。
|
Research Products
(7 results)