2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳下垂体ホルモンであるオキシトシンが敗血症の心筋および血管系におよぼす影響
Project/Area Number |
18591721
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
芹田 良平 Keio University, 医学部, 講師 (50245594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 浩 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (60182226)
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Keywords | 敗血症 / 心機能 / oxytocin |
Research Abstract |
平成20年度は引き続き、Lipopolysaccharide(LPS)により誘導されたラット敗血症モデルに対し、早期よりoxytocinを投与することで、敗血症の心機能を維持し、循環動態を改善し得るかを検討した。 【方法】ラット20匹(Wister系、雄、280〜330g)を、pentobarbital麻酔下に内頸動静脈にカニュレーションし、気管切開後、人工呼吸管理した。輸液は、生食を12ml/kg/hrで投与した。さらに、圧センサー付コンダクタンスカテーテルを、心室内に挿入した。その後、LPS10mg/kgを静注し、oxytocin投与群(15IU/kg静注後、10IU/kg/hrで持続静注)、生食投与群の2群に無作為に分けて管理した。心機能測定は、LPS投与前と投与後1時間ごとに6時間行なった。また、2時間ごとに採血し、乳酸値を測定した。統計学的解析は、反復測定分散分析を用いて行いp<0.05を有意差有りとした。 【結果】心拍出量(CO)はoxytocin投与群で高く維持されたが、有意な差を認めなかった。最大心室内圧(Pmax)、 Cardiac work(=Pmax×CO)、はともにoxytocin投与群で有意に高く維持された。乳酸値は、oxytocin投与群で有意に改善した。 【結語】oxytocin投与は、敗血症モデルの心機能を維持し、循環動態を改善することが示された。Oxytocinは、すでに臨床使用されているホルモンであり、今後敗血症治療の循環動態維持に対する治療薬として期待される。
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Research Products
(1 results)