2007 Fiscal Year Annual Research Report
Dセリン急性投与による抗侵害効果への影響に関する研究
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18591723
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 健二 Tokai University, 医学部, 助教 (10317779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 講師 (90276791)
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Keywords | Dセリン / 鎮痛作用 / NMDA受容体 / 下行性痛覚抑制経路 / ミダゾラム / ベンゾジアゼピン / in situ hybridization / 神経細胞 |
Research Abstract |
平成18年度にN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体に選択的な内因性リガンドのDセリンが脳内NMDA受容体グリシン結合部位を介して、オピオイド受容体を刺激し鎮痛作用を示すことを明らかにした(Eur J Pharmacol 2007,565;89-97)。本年度は麻酔前投与薬として使用されるミダゾラムのDセリン鎮痛効果への作用を明らかにする目的として、Dセリンをラット第三脳室内に投与し、Tail-Flick法にて抗侵害効果について解析した。その結果、1ミダゾラムの脳室内投与によって、用量依存的にhyperalgesiaが観察され、この効果はベンゾジアゼピン受容体拮抗薬フルマゼニルによって拮抗された。2.ミダゾラムはDセリンおよびモルヒネの抗侵害効果を減弱し、この効果はフルマゼニルによって拮抗された(Eur J Pharmacol 2008,in press)。これらの結果より、Dセリンは脳内のNMDA受容体グリシン結合部位を介して、オピオイド受容体を刺激し鎮痛作用を示し、ベンゾジアゼピン受容体と連関していることが示唆された。すなわち、Dセリンは疼痛の下行性抑制系路を亢進し、鎮痛作用を有し、その効果はミダゾラムで拮抗されることが明らかとなった。 これまで、Dセリン合成酵素のセリンラセマーゼ(Srr)はアストログリア細胞にのみ存在すると考えられてきた。Srr mRNAの詳細な組織及び細胞分布をin situ hybridization法で解析した結果、Srr mRNAは主に神経細胞に局在することを明らかにした(Arch Histol Cytol 2007;70(2):127-134.)。これらの結果は、脳内のNMDA受容体グリシン結合部位が鎮痛薬としての作用点となる可能性とその機序を解析する上で重要な知見となると考える。
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Research Products
(4 results)