2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳内コンパートメント間におけるクロストークを基盤とした新しい脳保護法の探求
Project/Area Number |
18591725
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
室園 美智博 東京医科大学, 医学部, 講師 (70276947)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 晶平 東京医科大学, 医学部, 講師 (30256250)
|
Keywords | 脳虚血 / P-glycoprotein / BBB |
Research Abstract |
我々は以前より,脳虚血でのmdrla由来のP-glycoprotein(P-gp)の働きを検討してきた.本来P-gpは血管内皮細胞に存在し,外因性化学物質を神経組織から血管内へ排出し,脳組織を様々な弊害物質から保護している.しかし脳虚血などの傷害時におけるP-gpの作用はまだ明らかにはなっていない.そこでmdrlaノックアウトマウスを利用して中大脳動脈閉塞による一過性局所脳虚血モデルを作成し,脳のダメージを測定した.結果,mdrla由来P-gpが欠失している方が虚血によるダメージが有意に少なかった. 現在はその詳細を探るために,Caspase 3,8,9,Bclファミリーや,CAD,などのアポトーシス関連物質VEGF, bFGF等に関して,脳虚血後の経時的変化を観察.特にcaspase 3やcaspase 9などは,mdrlaノックアウトマウスでは正常マウスに比べて減少している傾向が認められた、今後はTNF-alpha, IL-2,IL-6などサイトカインの動向も検索する予定. また,P-gpにより排出されやすいオンダンセトロンと,脳保護作用を有するサイクロスポリンAを脳虚血後に投与する方法を検討した,これは両薬剤からP-gpの働きに負荷をかけることで,P-gpにより脳内に侵入しにくい薬剤が効果的に脳組織内に浸透することができ,またP-gpの働きそのものが薬剤の負荷によって抑制がかかり,mdrlaノックアウトマウスと同様に脳虚血によるダメージが減少することを期待した.その結果,オンダンセトロンとサイクロスポリンAの併用により,明らかに脳保護作用が強調された.
|