2006 Fiscal Year Annual Research Report
光線療法の疼痛時組織血流への影響および創傷治癒時血管新生とTGF-βの関与
Project/Area Number |
18591727
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小森 万希子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60178332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 勝美 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20075609)
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
尾崎 眞 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30160849)
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Keywords | 光線療法 / 直線偏光近赤外線 / 低出力レーザー / 組織血流 / 微小循環 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
【目的】光線療法では、鎮痛作用に加えて血管拡張作用が報告されているが、直接血管の変化を1みた報告は少ない。我々は直線偏光近赤外線直接照射および低出力レーザー照射による細動脈の血流の変化を直視下に観察した。【方法】耳介に透明窓(Rabbi Ear Chamber : REC)を装着した家兎30羽を用いた。RECを生体顕微鏡下に固定し、細動脈を選び顕微鏡用ビデオカメラで観察した。ペントバルビタールを静注し気管挿管後にイソフルランで麻酔を維持し人工呼吸器で換気した。対象を無作為に近赤外線照射群(近赤外線群)、低出力レーザー照射群(レーザー群)と非照射群(対照群)に分けた。近赤外線群は1540mWで1秒照射、4秒停止を繰り返し、レーザー群は60mW照射した。3群とも接触型プローブを使用してREC支配領域の動脈の根部に10分間照射した。照射前から照射後60分にわたり細動脈の血管径と血流速度を測定した。血流量は血流速度と血管の断面積の積より算出した。【結果】細動脈の血管径は照射前を100%とすると対照群では102.4%に、近赤外線群では125.2%に、レーザー群は129.7%に上昇し、血流速度、血流量も同様の傾向を示し、有意に光線照射で細動脈の血流が増加した。約40分間この効果は継続した。【考察および結論】光線療法による皮膚温上昇、超音波ドップラーによる血流速度の上昇が報告されているが、本研究では細動脈中枢側への照射によって、末梢細動脈の血管径と血流速度が増加することを直接観察した。低出力レーザーおよび直線偏光近赤外線直接照射は皮膚微小循環動態を改善させた。今後、創傷治癒に対する効果について研究を進めていきたい。
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Research Products
(6 results)