2007 Fiscal Year Annual Research Report
光線療法の疼痛時組織血流への影響および創傷治癒時血管新生とTGF-βの関与
Project/Area Number |
18591727
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小森 万希子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 准教授 (60178332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 勝美 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (20075609)
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00159047)
尾崎 眞 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30160849)
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Keywords | 光線療法 / 血管新生 / bFGF / 創傷治癒 / 鍼 / REC |
Research Abstract |
痛み刺激で交感神経が興奮すると血管収縮が起こり末梢循環は不良となり、血流速度が低下し微小循環障害が起こる。微小循環とは細動脈、毛細血管、細静脈を含めた血管床で血管系の90%以上を占め、体内の物質交換と体液循環の調節を行う重要な場である。微小循環障害が起こると、組織が酸素不足となって、発痛物質の生成が促進され、筋緊張の増大がおこり、知覚神経がさらに興奮し痛みの悪循環が形成される。この悪循環を断ち切るためには微小循環を改善することが重要である。 我々はウサギ耳窓法を用いて微小循環の観察を行なってきた。この方法は直視下で同一血管の径と赤血球の移動速度を生体顕微鏡的に観察することが可能で、いろいろな刺激や薬物などの細動静脈への反応をリアルタイムに観察できる。耳介にアクリル樹脂製透明窓(Rabbit Ear Chamber: REC)を装着し、血管再生後に血管径20〜100μmの細動脈を選び顕微鏡用ビデオカメラで観察する。近赤外線とレーザー照射および鍼刺激による細動脈の血流の変化を観察したところ、細動脈の血管径、血流速度、血流量は有意に鍼および光線照射で増加した。全身や局所への副作用が少ない鍼治療、光線療法は微小循環改善作用があり、補助的治療に有用と考えられた。 またREC法で血管成長因子bFGFを用いて、創傷治癒における血管新生の過程を観察したところ、血管新生は有意に促進した。下肢などの末梢循環不良の虚血部位に対する血管成長因子の使用による有効例も報告がある。また皮膚潰瘍に対する直線偏光近赤外線療法の有用性についての動物実験では照射により血管新生や細胞増殖が認められたという報告もある。
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Research Products
(4 results)