2007 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌に対する内視鏡下超音波遺伝子治療への基礎的研究
Project/Area Number |
18591741
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
野崎 哲夫 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 研究員 (40303218)
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Keywords | 超音波 / 遺伝子治療 / 膀胱癌 / 内視鏡 / マイクロバブル |
Research Abstract |
キャビテーションの発生が容易と予想されるラツト膀胱内に細胞縣濁液を注入し、遺伝子導入効率への超音波照射の影響を検討してきた。具体的には、4週齢雌Wisterラット膀胱内に経尿道的にカテーテルを挿入。膀胱内ヘヒト膀胱癌細胞株T24細胞縣濁液およびレポーター遺伝子(pBKCMV-luc)を注入し、ラット下腹部から経皮的に超音波(1 MHz、0.78 W/cm^2、duty cycle 30%、1分間)を照射した。必要に応じ超音波造影剤(レボビスト)、および"対象細胞群を遺伝子導入されやすい状態にする"細胞膜修飾としての局所麻酔剤(リドカイン)或いは温熱(42℃)処理を縣濁液に添加した。照射後、細胞縣濁波を回収し、一定時間培養後遺伝子導入効率を検討した。レボビスト非存在下ではほとんど認められなかったルシフェラーゼ発現量は、レボビスト濃度依存性に増強された。また局所麻酔剤(リドカイン)或いは温熱(42℃)添加による細胞膜修飾による超音波遺伝子導入効率の増強効果はラット膀胱内でも確認された。超音波遺伝子導入法にとり膀胱はいくつかの解剖学的利点を有し、先述した"対象細胞群を遺伝子導入されやすい状態にする"細胞膜修飾法との併用など、更に遺伝子導入効率の向上が期待できる。 また超音波キャビテーションにより発生される微弱な光(ソノルミネッセンス)を利用した音響化学療法についても、接着状態のT24細胞においてHematoporfirin存在下に超音波照射を行った場合、一定の細胞致死効果が確認された。 膀胱内はキャビテーションを生じやすく超音波による遺伝子治療・Drug delivery systemなど膀胱内超音波治療ヘの展開が期待された。音響化学療法等新たな超音波癌治療との併用も可能と思われ、今後さらに改良を重ね治療への応用も期待できる技術と考えられた。
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Research Products
(2 results)