2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジントランスポーターと細胞内外受容体を介する腫瘍増殖制御機構の解明
Project/Area Number |
18591743
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
野澤 宗裕 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (90418707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 照久 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (10252040)
武田 正之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
荒木 勇雄 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50252424)
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Keywords | 前立腺針生検検体 / laser capture microdissection / real-time PCR / 腎癌 / 膀胱癌 / プロスタグランジントランスポーター |
Research Abstract |
検体採取およびその検索について同意の得られた前立腺針生検標本および手術検体をサンプルとしてreal-time PCRによるmRNAレベルの発現定量を試みた。採取された検体をOCT compound内に包埋しドライアイスで凍結保存後にクライオスタットで切片を作成し、これをHistogene staining kitで染色しlaser capture microdissection法によりtotal RNAを抽出した。このあと、逆転写反応により作成したfirst strand cDNAをサンプルとしてgene specific primerを用いて、COX1,COX2,PGT,PGDH,β-actinについて定量的PCRを行った。前立腺生検検体からは前立腺癌細胞とコントロールとして前立腺肥大症上皮細胞を、腎臓検体からは腎癌細胞とコントロールとして正常尿細管上皮細胞を、また膀胱検体からは膀胱癌細胞とコントロールとして正常膀胱粘膜移行上皮細胞をcaptureした。結果は、それぞれの臓器別にPGT,PGDHの発現量に特徴的な相違があった。また、コントロールとの比較において、腎臓癌細胞、前立腺癌細胞においてはPGDHの発現量がPGTの発現量に比べて有意に上昇していた。膀胱癌細胞に関しては、コントロールと比べて有意な発現量の変化を認めなかった。また、COX1,COX2についてはいずれの細胞においても発現量が少なかった。プロスタグランジン分解代謝に関わる遺伝子群も、プロスタグランジン産生系遺伝子群の発現異常と協調して発現の状態を変化させることにより、細胞内外におけるプロスタグランジン環境を特定の異常状態に導き、細胞内外に存在する特異的受容体を介して発癌、細胞増殖、アポトーシスシグナリングの制御に関わっていることが予想される。
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