2006 Fiscal Year Annual Research Report
S100ファミリー蛋白の腎癌における早期診断及び分子標的療法の応用に関する検討
Project/Area Number |
18591746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大園 誠一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00183228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麦谷 荘一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00166224)
古瀬 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (00345828)
野澤 籠嗣 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70053163)
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Keywords | 腎がん / S100蛋白 / AnnexinII / TdRPase / S100A10 / B-FABP |
Research Abstract |
腎癌における早期診断および分子標的治療の可能性を追究する目的で、3つのマーカー候補遺伝子(S100A10,AnnexinII,B-FABP)について過去に検討した。いずれも腫瘍部位でmRNAおよび蛋白の過剰発現が確認され、とくに近位尿細管由来と考えられる腎癌組織では、S100A10とAnnexinIIはテトラマーを形成して細胞膜表面上発現することを見い出した。しかしながら、正常腎においては遠位尿細管から集合管にかけて発現していることから分子標的治療のターゲットとしては適用しないと考えられた。一方、S100A10は分泌型蛋白であり、腎癌担癌状態(術前)での血清、尿に認められたS100A10が腎摘除術後にはともに検出されなかったことから腫瘍マーカーとしての有望である可能性があると考えられた。興味深いことに、AnnexinIIの発現は核異型度(G)、病期との関連はなく、S100A10の発現はG3がG1、G2と比べて有意に減少していた。この点に関しては癌の浸潤や転移への関与以外にAngiostatinとしての可能性も考慮し、今後さらに検討する必要がある。また、腎癌組織における血小板由来血管内皮細胞増殖因子であるTdPRaseの高発現が腎癌の独立した予後規定因子であることを報告した。そして、S100A4は癌の浸潤、転移に関与していることが報告されているが、TdRPaseとS100A4が腎癌では正相関していることを確認した。そこで、S100A4の細胞内局在の点から検証するとともに、臨床例における長期予後の検討も併せて行う必要がある。 B-FABPは腎の正常組織での発現がほとんど認められず、腎癌に最も特異性が高いと判定された。B-FABPは核異型度により発現に差を認めなかった。腎摘除術前の尿中B-FABP mRNAは術後に消失した。一方、患者血清(15例)中のB-FABPに対する自己抗体価とB-FABPのELISA法による定量で、正常人とに差を認めなかった。したがって、最も低侵襲なスポット尿からのスクリーニング法の確立を目指したい。
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Research Products
(6 results)