2007 Fiscal Year Annual Research Report
S100ファミリー蛋白の腎癌における早期診断及び分子標的療法の応用に関する検討
Project/Area Number |
18591746
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大園 誠一郎 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (00183228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麦谷 荘一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00166224)
古瀬 洋 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00345828)
寺谷 工 国立がんセンター, がん転移研究室, 研究員 (70373404)
高山 達也 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90324350)
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Keywords | 腎がん / S100蛋白 / AnnexinII / TdRPase / S100A10 / B-FABP |
Research Abstract |
腎癌における早期診断および分子標的治療の可能性を追究する目的で,バイオマーカー候補としてS100A10,AnnexinII,B-FABPについて検討した。いずれも腫瘍部位でmRNAおよび蛋白の過剰発現が確認され,とくに近位尿細管由来と考えられる腎癌組織では,S100Al0とAnnexinIIはテトラマーを形成して細胞膜表面上発現することを見出した。しかしながら,正常腎においては遠位尿細管から集合管にかけて発現しており,分子標的治療のターゲットとしては適用しないと考えられた。一方,S100A10は分泌型蛋白であり,腎癌担癌状態(術前)での血清,尿に認められたS100A10が腎摘除術後にはともに検出されなかったことから腫瘍マーカーとしての有望である可能性があると考えられた。興味深いことに,AnnexinIIの発現は核異型度(G),病期との関連はなく,S100A10の発現はG3がG1,G2と比べて有意に減少していた。この点に関しては癌の浸潤や転移への関与以外にAngiostatinとしての可能性も考慮し,今後さらに検討する必要がある。 B-FABPは腎の正常組織での発現がほとんど認められず,腎癌に最も特異性が高いと判定された。B-FABPは核異型度により発現に差を認めなかった。腎摘除術前の尿中B-FABP mRNAは術後に消失した。最少量0.5mlの尿からB-FABP mRNAの検出に成功した。また,B-FABPのモノクローナル抗体を作製したので今後は,尿蛋白レベルでの検討を行い,S100蛋白の発現も組み合わせたイムノクロマト法によるキット化を目指したい。
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Research Products
(6 results)