2006 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍Redox応答系を用いた尿路性器癌における転移病巣特異的分子標的治療の開発
Project/Area Number |
18591752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宗田 武 京都大学, 医学研究科, 助手 (50422928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
吉村 耕治 京都大学, 医学研究科, 助手 (40397542)
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Keywords | レドックス / 尿路上皮癌 / 化学療法 / 転移 / p53 / p21 |
Research Abstract |
1)尿路上皮癌におけるシスプラチン(CDDP)耐性機序の克服 (a)Galectin7による化学療法感受性亢進の分子機序の解明 我々は、尿路上皮癌においてgalectin7の発現誘導が酸化ストレスの蓄積を介してJNK-Bax-mitochondria経路の活性化を惹起しCDDPの感受性を亢進することを同定し、今後新たな分子標的となりうる可能性を見出した。 (b)NADH quinone oxidoreductase-1(NQO1)活性修飾による抗癌剤耐性克服に関する研究 我々は、欧米で抗凝固剤として臨床応用されているDicoumarolがNQO1の作用を特異的に阻害することによって、p53野生型尿路性器癌においてCDDPの殺細胞効果を増強することを見出した。その機序として、Dicoumarolがp53-p21経路を介した細胞周期停止機構を阻害し、その結果JNKを活性化することでmitochondriaを介したapoptosisを誘導することを解明した。 2)膀胱癌化学療法感受性に関する多施設共同研究:cDNA microarrayを用いた網羅的解析 prospectiveに収集された術前化学療法施行症例の化学療法前の腫瘍サンプルからmicroarray解析を行い、preliminaryなデータであるが、癌の進展・アポトーシスに密接な関係を持つ細胞内酸化ストレス制御分子が化学療法感受性マーカーとして同定された。現在そのvalidationを新たなサンプルを用いておこなうとともに、その機能的意義について細胞株における発規解析実験や機能抑制実験を施行中である。
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