2007 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるアンドロゲンレセプター共役因子の機能解析と臨床応用
Project/Area Number |
18591755
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
碓井 亞 Hiroshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30034060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 昭郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10239064)
亭島 淳 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20397962)
安本 博晃 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20314750)
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Keywords | 前立腺癌 / 核内受容体 / Guanine nucleotide binding protein / DNAメチル化 / RIZ1 / 転写因子 |
Research Abstract |
1)アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株の樹立 アンドロゲン依存性前立腺癌細胞株LNCaPを抗アンドロゲン剤存在下で長期間培養することにより、アンドロゲン非存在下で増殖能を獲得した細胞株を得た。同株はMTTアッセイでの検討では抗アンドロゲン剤添加で増殖抑制が見られなかった。今後、本細胞株の特性についてアンドロゲンレセプターの発現、突然変異などについてさらに分析を進める予定である。尚、アンドロゲンレセプター共役因子の関与に関しては現時点で十分な結果が得られていない。 2)前立腺癌におけるRIZ1遺伝子のDNAメチル化解析 ヒストンメチルトランスフェラーゼの1つをコードするRetinoblastoma-interacting zing finger gene (RIZ1)のプロモーター領域のメチル化解析により、前立腺癌では約40%にメチル化を認め、予後不良因子の一つであるGleason Scoreの高い癌でより高率であった。ホルモン非依存性前立腺癌細胞PC3ではRIZ1の発現が消失しており、脱メチル化剤により発現が回復することから、プロモーター領域のDNAメチル化が発現消失機序であることが判明した。 3)エストロゲン関連受容体(ERR)とGuanine nucleotide binding protein-like3(GNL3L) 核内受容体ERRの機能解析の過程でGNL3Lと相互作用することを見出した。その後の検計でGNL3LはERRの転写活性を阻害することが明らかとなった。ヒト前立腺癌細胞でもERR、 GNL3Lの発現を認めており、前立腺癌細胞株においてもGNL3LがERRの転写活性が抑制されることを確認した。今後、ERR、 GNL3Lの前立腺癌細胞における生理的機能に関して研究を発展させる予定である。
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