2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロリルイソメラーゼPIN1を用いた前立腺癌治療標的因子の同定
Project/Area Number |
18591765
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梁 明秀 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授 (20363814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 博司 横浜市立大学, 附属病院, 準教授 (50244439)
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Keywords | 前立腺癌 / リン酸化 / 酵素 / タンパク質 / 泌尿器 |
Research Abstract |
本研究ではリン酸化結合酵素Pin1を分子プローブとしたリン酸化プロテオミクスの手法を用い、前立腺癌特異的にPin1が結合する疾患関連リン酸化蛋白質を網羅的に同定し、診断マーカーや予後因子となりうるバイオマーカーの同定を目的とする。昨年度は前立腺癌特異的なリン酸化タンパク質を同定するため、前立腺癌細胞株(PC3,LNCap,DU145,Dunning R細胞)または、インフォームドコンセントによって採取された様々な臨床的背景を持つ腫瘍組織検体からタンパク質を抽出、可溶化し、予め作製しておいたGST-Pin1-グルタチオンビーズと結合するタンパク質を回収、濃縮、脱塩後、一次元、または二次元ディファレンス電気泳動を行い、癌部で特異的にPin1に結合または結合しないタンパク質を複数抽出した。次にそれらのタンパク質をゲル内で酵素消化し、ESI-Q-TOF-MSにて質量分析を行い、データベースサーチにて当該タンパク質の同定を行った。現時点で本手法により前立腺癌特異的にPin1に結合するタンパク質を20種類以上同定済みである。現在スクリーニングの幅を広げ、ホルモン依存性や骨転移などの悪性化形質に関わる候補分子を数十種類同定する予定である。我々は候補タンパク質のうち、かつて前立腺癌との関連が認められていないタンパク質について、臨床検体を用いて、癌の形成や悪性化との関連について考察を行なった。これらのタンパク質のうち2、3種類については、前立腺癌組織の悪性度に比例して発現が増加し、手術後再発の優れた診断マーカーとなる可能性のあることが明らかになった。現在これらのタンパク質がどのように前立腺癌の形成や悪性化形質に関わるかについて解析中である。具体的には、細胞内における局在、活性、結合タンパク質、また細胞増殖や細胞運動さらには血管形成における影響などについて、培養細胞系を用いて検証中である。
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