2006 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌に対するMVAC術前感受性予測システムの開発および臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
18591769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤岡 知昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80173409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 淳 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80306018)
小原 航 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90337155)
高田 亮 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00438467)
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Keywords | 膀胱癌 / 術前化学療法 / 感受性予測 / 個別化医療 / C-VAC療法 |
Research Abstract |
MVAC術前療法感受性予測システムの構築とその臨床応用に向け、本学および関連病院においてMVAC術前化学療法を2コース施行された、病期T2-T4NOMOの浸潤性膀胱癌患者10例を対象に感受性予測を行なった。 化学療法施行前および経尿道内視鏡的にcold punch法により生検を施行し、遺伝子解析用組織を採取、OCTコンパウンド包埋後、直ちに-80℃で凍結保存した。術前MVAC化学療法の抗腫瘍効果は化学療法施行前後のMRI施行による画像診断により判定し、可能な症例に対しては手術標本により組織学的に確認した。この検体よりレーザーマイクロダイセクション法を用いて膀胱腫瘍部の癌細胞のみを採取し、膀胱癌特異的なRNAを抽出。T7増幅法を用いてRNAを30ug以上に増幅後、マイクロアレイによって膀胱癌の遺伝子発現情報を解析した。 このデータを基に既にMVAC術前化学療法の感受性予測を施行した。我々が既に同定した14感受性予測遺伝子の発現情報を基に感受性予測システムを構築すると、T1までのダウンステージをその判断基準に置いた場合、10例中7例の感受性を正確に予測可能である事を発見した。また、正確な予測ができなかった3例中2例に関しても、その腫瘍縮小率で感受性を評価すると正確な予測がなされており、臨床学的には有用な結果であったと考えられた。これにより以前のデータを含め本感受性予測システムは、T1までのダウンステージを基準とした場合は30例中23症例を、縮小率を基準とした場合は26例中24症例の化学療法感受性を正確に予測する事を確認した。 また、MVAC術前化学療法感受性予測14遺伝子の発現をReal-time PCR法により解析、化学療法の臨床効果との関係を検討した。その結果、Real-time PCRの発現情報を用いてもマイクロアレイと全く同一に感受性予測が可能な事を確認した。
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Research Products
(6 results)