2006 Fiscal Year Annual Research Report
排尿筋収縮における尿路上皮よりの調節因子の同定とRho kinaseの役割
Project/Area Number |
18591770
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
山西 友典 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90220425)
|
Keywords | 膀胱 / 平滑筋 / 尿路上皮 / ムスカリン / サブタイプ / 下部尿路閉塞 / Rho / カルバコール |
Research Abstract |
1)膀胱(平滑筋および尿路上皮)におけるムスカリン受容体サブタイプの分布 正常膀胱、前立腺肥大症(下部尿路閉塞)膀胱の患者より、膀胱平滑筋および尿路上皮切片を摘出した。その切片をもちいて、real-time RT-PCR, Western Blotting,免疫組織染色法などにより、膀胱(平滑筋および尿路上皮)におけるムスカリン受容体サブタイプの分布について研究した。その結果、正常膀胱、前立腺肥大症(下部尿路閉塞)膀胱ともに、M1,M2,M3ムスカリン受容体は発現したが、M4,M5ムスカリン受容体の発現はみられなかった。ムスカリン受容体サブタイプの発現は、個体差が大きく、M2ムスカリン受容体優位のものと、M3ムスカリン受容体優位のものがみられた。 2)排尿筋におけるin vitro収縮機能実験:carbachol収縮抑制におけるムスカリンサブタイプとの関係 正常膀胱、前立腺肥大症(下部尿路閉塞)膀胱の患者より、膀胱平滑筋と摘出し、carbachol収縮におけるムスカリン受容体サブタイプの親和性を比較した。その結果、正常膀胱、前立腺肥大症(下部尿路閉塞)膀胱共に、M_1受容体阻害薬(pir-enzepine),M_2受容体阻害薬(methoctramine),M_3受容体阻害薬(4DAMP),尿失禁治療薬(抗コリン薬:tolterodine, propiverine, solifenacin, oxybutynin)の親和性から、排尿筋におけるcarbachol収縮は、M3受容体を介するものと考えられた。 3)膀胱(平滑筋および尿路上皮)におけるRhoAの発現 ブタおよびヒトの膀胱平滑筋および尿路上皮を用い、real-time RT-PCR, Western Blotting,免疫組織染色法により、RhoAの発現を検討した。その結果、ブタ、ヒトともにRhoAの発現は尿路上皮に多く、平滑筋では少なかった。
|