2007 Fiscal Year Annual Research Report
排尿筋収縮における尿路上皮よりの調節因子の同定とRho kinaseの役割
Project/Area Number |
18591770
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
山西 友典 Dokkyo Medical University, 医学部, 准教授 (90220425)
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Keywords | Rho / Rhoキナーゼ / 膀胱 / 尿路上皮 / Y27632 / Fasudil / Rho活性 / カルバコール |
Research Abstract |
ブタヒトの膀胱切片と尿路上皮を用いてRho/Rho kinaseなどのmRNAと蛋白の発現を、real time定量的RT-PCR、Western Blotting RhoA活性。免疫組織染色法により検討した。その結果、ブタ、ヒトともにRhoAの発現および活性は、膀胱上皮の方が平滑筋よりも多く発現していることがわかった。次にin vitroにおいて、ブタの膀胱切片を用い、筋切片標本(2×8mm)を作成し、Krebs液の入ったorgan bathに浸し、1gの張力で吊した。Carbacholの濃度-収縮曲線(CRC)を作成し、次いでRho Kinase inhibitor(Y27632またはfasudil)3-30μMを投与した後CRCを作成した。CarbacholのCRCでは、最大収縮(Emax)は、粘膜の非付着切片ではY27632の3、10、30μM存在下でそれぞれ82%、64%、58%に、粘膜付着切片ではそれぞれ107%、56%、17%に減少した。Fasudilも同様の結果であった。またヒトにても同様の実験を行ったが、やはり粘膜付着膀胱切片のほうが強く抑制された。次に80mM KC1または100μM Carbacholで前収縮させた膀胱切片に、Y27632またはfasudil(0.1nM-100μM)を投与し濃度-反応曲線を作成した。その結果粘膜の存在下では、Y27632はKC1前収縮による張力を粘膜無しでは(52.0±4.6%)粘膜付き(28±6.8%)よりも有意に(p=0.0088)減少させ、またcarbachol前収縮による張力も粘膜無しでは(53.1±7.2%)、粘膜付き(30.6%±5.81%)よりも有意に(p=0.0035)減少させた。また、経壁電気刺激(20Hz)による膀胱収縮は、粘膜なしでは、Y-27632(3、10、and30μM)投与によりそれぞれ98.5%、88.4%、59.5減少し、粘膜ありでは、それぞれ61.3%、48.0%、and36.3%減少させた。以上の結果から、RhoAの発現および活性は、膀胱上皮の方が平滑より多かった。Rho kinase inhibitorの膀胱の収縮を抑制作用は、膀胱の粘膜の存在下の方が大きかった。
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Research Products
(4 results)