2007 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲン受容体活性を利用した難治性前立腺癌に対する新規化学療法の開発
Project/Area Number |
18591774
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大東 貴志 Keio University, 医学部, 講師 (80185371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10167546)
宮嶋 哲 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90245572)
菊地 栄次 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10286552)
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲン受容体 / 細胞周期 / ヒストン |
Research Abstract |
前年度の実験よりアンドロゲン応答領域(ARE)を用いた免疫沈降の結果から、コハク酸ビタミンE(VES)によるアンドロゲン受容体(AR)の活性低下は、ヒストンH3のLysine9の脱メチル化の抑制によってコントロールされている可能性が示唆された。そこでAR非発現前立腺癌細胞PC-3にARおよびレポーターベクターを組み入れた実験を行ったところ、VESによる抑制が認められた。一方、ヌードマウスにマトリジェルと一緒に移植したアンドロゲン非依存性LnCap細胞は、抗癌剤であるパクリタキセルには抵抗性を示したが、VESを同時に腹腔内投与することにより腫瘍の増殖抑制が認められた。しかしながら、LnCap細胞はもともと増殖スピードが遅いため、その差は僅かであり、さらに良いモデルの作成が必要と考えられた。 また、昨年度ピストン修飾に関与するヒストン脱アセチル化酵素の阻害薬(HDACI)をLNCaPに使用したところ、著明なAR発現の抑制が見られ、GIarrestを誘導し、増殖を抑制した。今年度さらに下流の経路を調べたところ、前立腺癌細胞においてはやはり細胞周期関連タンパクであるmcmファミリーの発現が低下しており、このためにGlarrestが起こると考えられた。 このようにARの発現や機能に直接作用するような薬剤を用いることにより、アンドロゲン非依存性になった前立腺細胞に対しても効果的な治療が行われる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)