2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規前立腺癌マーカータンパク質TT902の臨床的有用性と生物学的意義の解明
Project/Area Number |
18591775
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
車 英俊 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80327329)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
頴川 晋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60160347)
鷹橋 浩幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00246414)
|
Keywords | 癌 / 蛋白質 / バイオマーカー |
Research Abstract |
【目的】高分子プロテオミクスによって発見した新規前立腺癌バイオマーカーTT902の臨床的有用性を手術検体の免疫組織染色により検討した。【方法】東京慈恵医大泌尿器科で手術的に摘除された64例の前立腺癌患者を対象にした。手術検体を研究に使用する際には、東京慈恵医科大学倫理委員会で承認された同意文書により、患者本人の承諾を得た。独自に作成した抗TT902抗体を用いて免疫組織染色を行い、染色強度をスコア化した。それぞれの標本で、癌部、HGPIN部、過形成部、正常腺上皮部のスコアを算出した。【結果】TT902はほぼすべての前立腺癌部で発現がみられた。癌部とHGPIN部の発現強度は、過形成部と正常腺上皮部と比較して有意に高値であった(p<0.001)。また、癌部とHGPIN部では癌部のほうが有意に高発現を示した(p<0.001)。癌部でのTT902の発現は、Gleason score、血清PSA値が高いものほど高値を示した(それぞれp=0.032、p=0.013)。既存のマーカーであるAMACRによる免疫組織染色像と比較したところ、TT902が陽性でAMACRが陰性の癌組織や、TT902が陰性でAMACRが陽性の癌組織も散見された。また、TT902とAMACRの多重蛍光染色では、いずれも細胞質に局在しているものの、その分布様式には差が見られた。TT902の遺伝子の発現をin situ hybridizationとRTPCRで確認したところ、前立腺癌細胞でTT902 mRNAの発現が亢進していることを確認した。【結語】新規前立腺癌マーカーTT902の前立腺癌組織での発現を、免疫組織化学的に検討した。TT902は前立腺癌部で高発現を示し、また、Gleason score、血清PSA値が高い検体ほど発現強度が高かった。また、前立腺癌部における遺伝子レベルでの発現の亢進も確認した。
|
-
-
-
-
[Journal Article] Growth inhibition efficacy of an adcnovirus expressing dual therapeutic genes, wild-type p53, and anti-erbB2 ribozyme, against human bladder cancer cells.2006
Author(s)
Irie A, Matsumoto K, Anderegg B, Kuruma H, Kashani-Sabet M, Scanlon KJ, Uchida T, Baba S
-
Journal Title
Cancer Gene Therapy 13・3
Pages: 298-305