2006 Fiscal Year Annual Research Report
病態に応じた慢性前立腺炎モデルの確立と新たな治療の開発
Project/Area Number |
18591780
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松本 哲朗 産業医科大学, 医学部, 教授 (50150420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 昌良 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369066)
村谷 哲郎 産業医科大学, 医学部, 助手 (10309974)
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Keywords | 前立腺炎 / 排尿機能 / 痛み / ラット / 肥満細胞 / 蓄尿機能 / 膀胱 |
Research Abstract |
グラム陰性桿菌の菌体成分であるlipopolysaccharide(LPS)を前立腺に直接注射する(細菌感染型前立腺炎モデル)、2)除睾術を行った後、連日30日間エストロゲン(estradiol)を皮下注射する(内分泌型前立腺炎モデル)、3)前立腺皮膜下に0.4Nの塩酸50・1を直接注入する(塩酸型前立腺炎モデル)を作成した。さらに、上記モデル作成後、排尿状態の解析を行った。具体的には代謝ケージを用いた排尿記録と膀胱内持続注入による膀胱内圧・排尿量同時測定法を行った。 代謝ケージの下に電子天秤を設置し、排尿するとその排尿量が測定でき、その値が自動的にコンピューターに記録される装置を用いて排尿記録の測定を行った。飲水量の測定はドリンコメジャラー(小原医科産業)という水がこぼれないボトルを用いて行った。 膀胱内持続注入による膀胱内圧・排尿量同時測定法では、ポリエチレンカテーテル(PE-50, Becton Dickinson Co.Ltd., USA)を膀胱瘻カテーテルとして用いた。ハロセン麻酔下に下腹部正中切開を行い、膀胱瘻カテーテルを挿入した。圧トランスデューサーを介して膀胱内圧を測定する。圧トランスデューサー、膀胱内圧カテーテル、膀胱注入ラインは3方活栓を使用して接続する。生理食塩水の膀胱内注入には自動注入器を用いた(5ml/h)。モデル2)3)ではコントロール群と比べて有意な膀胱過活動がみとめられた。 また、アクティビティーモニターおよび赤外線CCDカメラにより、下部尿路の疼痛に関連した行動変化を調べた。下部尿路由来の痛みの際に、ラットは体をまるめてうずくまり、活動性が低下することに着目し、この行動パターンをアクティビティーモニターおよび赤外線CCDカメラに記録した。モデル2)では軽度ではあるが排尿後の活動性の低下が認められ、排尿に伴う痛みが存在している可能性が示唆された。 現在は、組織学的解析をすすめ、前立性および膀胱頚部の肥満細胞の浸潤を調べている。さらに遺伝子の発現を網羅的に解析する予定である。
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Research Products
(5 results)