2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591781
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西松 寛明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60251295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 巧 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90167487)
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70167609)
北村 唯一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (70010551)
|
Keywords | 動脈硬化 / 男性更年期 |
Research Abstract |
本研究の目的は陰茎海綿体での動脈硬化の発症・進行さらに平滑筋機能異常に伴い発現量が変化する遺伝子をスクリーニングし、その遺伝子の機能を特異的に調節する新薬の開発に役立てようと言うものである。具体的には1)高血圧、糖尿病、高脂血症等の動脈硬化危険因子を持つ動物モデルとその対照となる動物の間での遺伝子発現パターンの相違をDNA microarray法を用いて検討し、2)それらの遺伝子を過剰に発現させる、あるいは逆にその機能を抑制した場合に動脈硬化の進行が促進されたり、あるいは抑制されるかどうかを検討し、さらには動物モデル実験において、血管機能ならびに勃起機能を検討・比較する。 1)DNA microarray法を用いたED関連遺伝子の系統的検索 陰茎海綿体での血流障害・動脈硬化の発症、進行に関わる遺伝子を大量に解析するためにDNA microarray法を用いる。患者の個人情報やプライバシーの尊重のため、充分な配慮を要するため、症例の選定も含めて評価があまり進んでいない。肝臓の補酵素などCYPが関わる芳香族酵素にまず、着目して、性ホルモンの活性について検討を加えた。CYP3A系がホルモン不活化に伴い、前立腺癌治療に大きく関わると推測して別研究で進めていたが、これが性機能、特に身体症状を伴う男性更年期症状とも相関する可能性が示された。 症例数が10例程度と少なく、今後例数を増やして検討する。 さらに、動脈硬化病変を来す遺伝子異常や、脂質代謝系異常を示す関連遺伝子は多岐にわたり検索が膨大となる。 そのため、臨床症状、おもにオシロメトリック法で測定した脈波測定などで動脈硬化が強く疑われる症例と男性更年期質問票において身体症状が高得点(重症)で相関が高く、50-75%の患者に強い相関が認められた。これらの症例はある程度病態が進行してしまうと、PDE5阻害剤等の有効性が著しく低下する。脈派の基準値の推定であるが、PWV/ABIが汎用されており、我々もこれを用いてスクリーニングしているが、0.9といわれる基準値よりもはるかに高い1.1程度以下となると、70歳以上ではSEP3程度の性機能が維持できない可能性も示された。 しかし、これらはPDE5阻害剤の継続投与にて性機能自体は3-6ヶ月の期間で見るとある程度改善を示すことも判明した。海綿体機能の評価を追加する必要があるが、観察期間における精神・心理状態も大きな作用要素であり、器質・非器質不眠や気分変調性障害、仮面うつ等の疾患の疑いがある症例は、除外する必要が有る。
|