2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591781
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西松 寛明 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (60251295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 巧 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (90167487)
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70167609)
北村 唯一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (70010551)
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Keywords | 勃起不全 / 脈波 / レプチン / β3アドレナリン受容体 / Trp64Arg変異 |
Research Abstract |
勃起不全はLOHとの関連性が高いが、血中テストステロンを低下させる機序には動脈硬化に関連するメタボリックシンドロームが大きく関与している。糖尿病性EDは、その要因として、従来から神経障害と血管障害が指摘されています。血管障害は陰茎動脈硬化と、陰茎白膜の障害による静脈血の循環障害要因に心理的因子が加わり発症する。神経障害も血管障害も元来、糖尿病性合併症ですから、根本的原因は長年にわたる高血糖状態と言えます。二型糖尿病ob遺伝子とそれがコードする蛋白のレプチンは肥満ED群では平均25.8ng/mLで、標準体重群の11.2ng/mLに比し高値であった。この結果はob/obマウスにおけるレプチン低値という成績とは全く逆の結果でした。レプチン値と体脂肪率の間に強い相関関係をみとめた。脂肪細胞にはエネルギーを中性脂肪の形で貯蔵する白色細胞と、余分のエネルギーを熱として体外へ放散する作用をもつ褐色細胞がある。熱産生はβ3-アドレナリン受容体によって調節されると考えられます。 近年この受容体の64番目のトリプトファンがアルギニンに変換(Trp 64 Arg変異)した者に著明な肥満や、インスリン抵抗性がみられたと報告されました。従ってこの遺伝子異常をもつ者は将来NIDDMになりやすい可能性が指摘され、メタボリックシンドロームに伴うEDと相関性が高かった。また適度な運動療法と性機能には有意な相関を認めたが、運動療法前後でのフリーテストステロン値は増加する傾向性を認めたが、有意差を認めるまでには至らなかった。その他女性ホルモンを不活化するCYP3A4と肥満に相関関係が見られたが、年齢補正をかけるとこの遺伝子検索においても遊離型テストステロン値に有意な相関関係を導くには至らなかった。その他尿巾の酸化ストレスマーカーで80HdGBなどのストレスマーカーも今回の検討では傾向を認めるものの有意差を導くには至らなかった。検討としては脈波での検討結果で良好な結果を得た。臨床症状、おもにオシロメトッリック法で測定した脈波測定などで動脈硬化が強く疑われる症例と男性更年期質問票において身体症状が高得点(重症)で相関が高く、50-75%の患者に強い相関が認められた。これらの症例はある程度病態が進行してしまうと、PDE5阻害剤等の有効性が著しく低下する。脈派の基準値の推定であるが、PWV/ABIが汎用されており、我々もこれを用いてスクリーニングしているが、0.9といわれる基準値よりもはるかに高い1.1程度以下となると、70歳以上ではSEP3程度の性機能が維持できない可能性も示された。 しかし、これらはPDE5阻害剤の継続投与にて性機能自体は3-6ヶ月の期間で見るとある程度改善を示すことも判明した。海綿体機能の評価を追加する必要があるが、観察期間における精神・心理状態も大きな作用要素であり、器質・非器質不眠や気分変調性障害、仮面うつ等の疾患の疑いがある症例は、除外する必要が有る。
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Research Products
(1 results)