2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然抗原ノックアウトミニブタからヒヒへの異種移植臓器廃絶の機序の解明と、その制御
Project/Area Number |
18591787
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
清水 章 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00256942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 幸成 日本医科大学, 医学部, 助手 (70173755)
石崎 正通 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40096954)
杉崎 祐一 日本医科大学, 医学部, 教授 (60089620)
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Keywords | 異種移植 / 心臓移植 / 自然抗原ノックアウト / ブタ / ヒヒ / 急性拒絶反応 / 慢性拒絶反応 / 血栓性微小血管症 |
Research Abstract |
ミニブタをdonorとして用いた場合の異種移植では、移植直後から生ずる超急性拒絶反応により、移植後1日以内に移植臓器は機能廃絶に陥る。Massachusetts General Hospital(Boston, Massachusetts, USA)のTransplantation Biology Research Centerでは、超急性拒絶反応の原因分子である自然抗原を完全に除去する目的で、自然抗原であるgalactose α1,3-galactose(Gal)抗原をノックアウトしたMGHミニブタを作製し、臨床応用を考慮し、non-human primateのヒヒへの、心臓ならびに腎臓の臓器移植が行われている。今のところ、chronic immunosuppression protocolにて腹腔内への異所性に移植された心臓は約6ヶ月間拍動を続けたが、最終的には移植心臓は機能廃絶に陥っている。今年度は、移植心臓の機能廃絶の機序について病理的に解析を行った。現在までに8症例の心臓異種移植が行われている。その平均生着期間は78日であり、最長生着期間は179日であった。しかし、それらの全ての移植臓器は最終的には機能廃絶に陥った。その機能低下は、Gal抗原に対する抗体である抗Gal抗体以外のnon-Gal抗体が移植臓器の血管内皮細胞に結合し、補体が活性化されたことによる、急性抗体依存性拒絶反応により進展していた。その急性抗体依存性拒絶反応は、壊死やアポトーシスによる移植心臓内の微小血管内皮細胞の細胞死と、残存内皮細胞の活性化による凝固能の亢進状態による多発微小血栓形成が特徴であった。NonGal抗体による急性補体依存性の血栓性微小血管傷害の進展が移植臓器機能廃絶に関連することを明らかにした。さらに比較的長期間にわたり生着した移植臓器には、急性補体依存性拒絶反応ばかりではなく、急性細胞性拒絶反応や慢性拒絶反応が認められた。今後は、急性細胞性拒絶反応や慢性拒絶反応の特徴を検討し、移植臓器機能廃絶の全体像を明らかにする。
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Research Products
(2 results)