2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591788
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
神原 清人 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (40298758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 義郎 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60268183)
野村 嶬 京都大学, 医学部, 教授 (60034188)
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Keywords | GABAシステム / 精子形成過程 / 免疫電顕 / パッチクランプ / RT-PCR / 蛍光免疫染色 |
Research Abstract |
γ-アミノ酪酸(GABA)は抑制性の神経伝達物質として知られるが、近年このGABAが精子の先体反応の誘起因子として関与することや、progesterone-initiated acrosome reactionにGABA_A受容体の関係することが知られている。また、精巣上体ではGABAを産生する細胞の存在も知られている。しかし、初期精子形成過程へのGABA合成酵素GADやGABA受容体を含めたいわゆるGABAシステムの関与については、ラットの精巣にGABA_B受容体とGAD67が発現することが報告されている以外に詳しいことはわかっていない。今回、多様なサブユニットの組み合わせにより5量体のCl^-チャネルを構成するGABA_A受容体とGABA合成酵素GADについてRT-PCRと免疫染色を行うとともに電気生理学的方法を用いて初期精子形成過程におけるGABAシステムについて検討した。【結果及び考察】RT-PCRによりα1,α5,β1-3,γ3およびGAD65,GAD67mRNAの発現を認めた。これらに対する蛍光免疫染色では、α1を除いたサブユニットとGADおよびGABAの陽性反応は精母細胞と精子細胞の核を取り囲むように細胞質全体に認められた。さらに精母細胞のパッチクランプではGABA添加によりCl^-チャネルの開口を示す電流の変化を認めた。これらのことは、初期の精子形成過程においてGABA_A受容体を介したGABAの関与を示唆する。またGABA_A受容体α1サブユニットのみは精母細胞と精子細胞の核内に斑点状の局在を示し、免疫電顕でもその反応は核内に観察された。さらに分裂中の精母細胞のユークロマチン部位に反応が強くみられたことからGABA_A受容体α1サブユニットの減数分裂における関与も示唆された。
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Research Products
(1 results)