2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオグリカンを用いた切迫早産新規治療薬開発のための研究
Project/Area Number |
18591791
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 幹二 Hirosaki University, 医学部附属病院, 講師 (20311540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 毅 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (60238285)
尾崎 浩士 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (80260404)
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Keywords | 切迫早産 / プロテオグリカン / 炎症性サイトカイン / 子宮頸管培養線維芽細胞 / 絨毛羊膜炎 / ウリナスタチン |
Research Abstract |
【研究の目的】早産の原因として絨毛羊膜炎(CAM)が極めて重要である。またCAMの発症、子宮頚管熟化には、頚管中、羊水中の種々な炎症性サイトカインが重要な働きをしている。一方、プロテオグリカン(PG)は細胞外基質の主要構成成分でありながら、これまでは単に組織構造を維持する物質と考えられていた。ところが近年の研究で細胞の機能発現に重大な影響を与える事が知られるようになり、特に最近ではその抗炎症作用が注目されている。そこで今回は、リポ多糖(LPS)により刺激した子宮頚管由来培養線維芽細胞にPGを添加し、同細胞におけるPGの炎症性サイトカインへの影響を調べる事により、PGの早産防止の新しい治療薬としての可能性について検討した。【研究成果】患者の同意を得て手術時採取した子宮頚管組織片を培養し、得られた線維芽細胞の培地にLPSを1μg/mlの濃度で添加し、さらにPG添加群、非添加群(LPS群)、既存の早産治療薬ウリナスタチン(UTI)添加群に分けて48時間まで培養後、培地中のIL-1β、IL-6、IL-8の産生量をELISA法により定量し比較検討した。その結果、ヒト子宮頚管培養線維芽細胞は上記量のLPS添加によってはIL-1βを産生しなかった。一方、IL-6についてはLPS群では経時的に産生が増加したが、PGを添加することにより、33%から54%の産生量の減少を示した。また、UTIともほぼ同等の抑制効果が認められた。IL-8産生もLPS添加により経時的に増加したが、PGを添加することにより30%前後の減少を示した。しかし、全体として、その減少幅はUTIに比較すると小さいものであった。【結論】PGはCAMの発症、頚管熟化に重要な種々の炎症性サイトカインを著明に抑制したことから、PGが早産防止の新しい治療薬となり得る可能性が示唆された。
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