2006 Fiscal Year Annual Research Report
将来の男性用避妊薬開発に向けた精巣上体特異的リポカリン遺伝子プロモーター解析
Project/Area Number |
18591792
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 吉也 東北大学, 病院, 助手 (30422116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 節 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (20240666)
寺田 幸弘 東北大学, 病院・助教授 (10260431)
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Keywords | 精巣上体 / 精子成熟 / プロモーター解析 |
Research Abstract |
最も重要な精巣上体の機能としては精子成熟(sperm maturation)が知られている。もしこの過程を特異的に干渉することができれば、精巣におけるホルモンおよび精子産生を阻害することなく男性特異的に効果を発揮する避妊薬の開発につながる。そこで我々は基礎研究として、精巣上体特異的に発現している遺伝子をターゲットとしてその遺伝子発現のメカニズムを理解することは、将来的に精巣上体の機能をコントロールするような化合物(避妊薬)を開発する上で重要であると考え、本研究を立案した。これまでに我々のグループは精巣特異的リポカリン5遺伝子のプロモーターをモデルとして研究し、多くの論文を発表している(Lareyre et al. J Biol Chem 1999 274:8282-90,Lareyre et al. Biol Reprod 2000 63:1881-92,Suzuki et al. Endocrinology 2003 144:877-86)。2006年にはその集大成として、トランスジェニックマウスと精巣上体上皮由来不死化細胞株を用いて、リポカリン5遺伝子発現に重要な塩基配列(100bp)を5'側上流領域に同定し、さらに分子生物学的手法を用いてその100bpに結合する分子がandrogen receptorとforkhead box protein A1(Foxa1)であり、分子間相互作用について解明し、生化学系雑誌として権威あるMolecular endocrinologyに発表した(Yu X. Suzuki K. et al. Mol.Endocrinology 2006)。現在、リポカリン8遺伝子プロモーターをモデルに、変異リポカリン8プロモーター(3kb,1.7kb,0.3kbの3種類)を導入したトランスジェニックマウスはすでに作製された。今後はそのプロモーター活性を測定し、リポカリン8発現に重要なプロモーター領域を段階的に同定し、その領域に結合する新規転写因子群を決定する予定である。
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