2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591796
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 康史 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 講師 (80242197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50126223)
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Keywords | 精子 / カルシウム / 受精 / プロゲステロン / hyperactivation |
Research Abstract |
【目的】哺乳動物の精子は受精にいたるまでにcapacitationと先体反応の2つの変化を起こす事が必要であり、capacitationと先体反応の発現には精子細胞内へのカルシウムイオンの流入が必要であるといわれている。今回、私達の行ってきた精子受精能と細胞内カルシウムの関係について報告する。 【結果】 1.ハムスター卵を使ったsperm penetration assayにより測定した精子受精能とプロゲステロンによる精子細胞内へのカルシウム流入量との間には正の相関がある。capacitationの前後で精子細胞内カルシウム濃度が上昇し、capacitationによりプロゲステロンによる細胞内カルシウムの増加は促進される。 2.プロゲステロン以外にも卵胞液、プロスタグランジンE1,E2が精子細胞内カルシウム濃度を上昇させる。 3.単一細胞レベルの精子細胞内カルシウム濃度を測定したところ、形態異常精子では卵胞液添加による細胞内カルシウムの上昇が少ない。 【考察】精子は女性の生殖器内で変化をとげ受精能力を持つようになる。プロゲステロンが卵管内で精子に作用し、細胞内へのカルシウムの流入を起こし、それが引きがねとなって受精現象が引き起こされるという仮説が考えられる。男性不妊患者の精子ではプロゲステロンによる細胞内カルシウム濃度の上昇に障害があるためcapacitationや先体反応を起こしえず不妊にいたると考えれば、その機序の解明は不妊症治療において非常に重要と思われる。
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Research Products
(1 results)