2008 Fiscal Year Annual Research Report
炎症からみた早産、妊娠高血圧症候群の新たな治療戦略
Project/Area Number |
18591797
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
塩崎 有宏 University of Toyama, 大学病院, 講師 (00235491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 滋 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (30175351)
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Keywords | 妊娠高血圧腎症 / 頸管中IL-8 / 頸管中顆粒球スメア / 炎症 / 絨毛膜羊膜炎 |
Research Abstract |
1. 妊娠高血圧腎症(PE)70例において免疫の指標となるTh1/Th2比をflow cytometry(FCM)で求めた。正常妊娠59例でも同様にTh1/Th2比を求め、正常妊娠の75%タイル値以上をTh1優位、25〜75%タイルをTh1/Th2正常、25%タイル以下をTh2優位と規定した。その結果PE群ではTh1優位が46例と大半を占め従来の報告と一致したが、Th1/Th2比正常のものが16例、Th2優位型PEも8例に認められた。3群間で臨床症状を比較したところ、初産率、BMI、血圧、発症週数には差を認めなかったが、重症型の蛋白尿はTh2優位型で75%とTh1優位型の32.6%に比し有意に高率であり、重度の蛋白尿を呈する症例ではTh2優位のPEが多いことが判明した。またTh1/Th2比正常群では肝機能異常、血小板異常を呈する症例は皆無であり、臨床症状がTh1/Th2比により差を認めることを初めて証明した。2. PE症例の頸管粘液中のIL-8値を測定したところ、14/24(58.3%)が陽性であり、正常妊娠例の値(113/865 : 13.2%)に比し有意に高値を示し、PEと頸管内の炎症が関与することを初めて認めた(投稿準備中)。3. 切迫早産154例にIC取得の上、羊水中のサイトカインを測定したところ、絨毛膜羊膜炎(CAM)II度以上でIL-8、TNFαが上昇し、CAMIII度でIL-17が高値となった。IL-17は主としてCD4陽性のT細胞から産生されることをFCM、免疫組織染色で確認した。さらに羊膜間質細胞にはIL-17受容体が発現しており、TNFαとIL-17を羊膜間質細胞内に同時添加するとIL-8産生が相乗的に増加する現象を見出した。この反応系にIKK、p38、Map kinaseが関与することも明らかとなった。T細胞から産生されるIL-17がCAMの要因となっていることを初めて証明した。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Interleukin(IL)-17A stimulates IL-8 secretion, cyclooxy genase-2 expression, and cell preliferation of endometriotic stromal cells.2008
Author(s)
Hirata T, Osuga Y, Hamasaki K, Yoshino O, Ito M, Hasegawa A, Takenuma Y, Hirota Y, Nose E, Morimoto C, Harada M, Koga K, Tajima T, Saito S, Yano T, Taketani Y
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Journal Title
Endocrinology 149
Pages: 1260-1267
Peer Reviewed
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