2006 Fiscal Year Annual Research Report
カリクレインーキニン系、凝固線溶系の破綻と着床不全、流産に関する研究
Project/Area Number |
18591815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
杉 俊隆 東海大学, 医学部, 助教授 (70196707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 公孝 東海大学, 医学部, 助手 (30366017)
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Keywords | 第XII因子 / キニノーゲン / カリクレイン / phosphatidylethanolamine / 不育症 / 習慣流産 / 血栓症 / cardiolipin |
Research Abstract |
近年、第XII因子欠乏と反復流産、血栓症との関係が注目されている。第XII因子はカリクレインーキニン系の蛋白であり、utero-Placental unitに存在して血液凝固線溶系や妊娠維持に重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。既に、不育症患者において第XII因子欠乏症が高頻度に存在する事や、第XII因子に対する自己抗体の存在が報告されている。今回我々は、不育症患者における抗第XII因子抗体の認識部位を検討した。既に我々は、第XII因子のアミノ酸配列を文献的に考慮して合成ペプチドを作成し、epitope mappingを施行したところ、amino-terminalの1-30のアミノ酸を認識する事を示唆するデータをもっていたので、それを用量依存、抑制試験などで確認した。第XII因子は血小板膜糖蛋白のglycoprotein Ib-IX-V複合体に結合し、トロンビン依存性血小板凝集を抑制することが報告されている。また、その抑制部位は第XII因子の1-28のアミノ酸上にあると報告されている。今回の我々のデータは、抗第XII因子抗体が、第XII因子の血小板抑制作用を阻害し血栓、流産を引き起こしている可能性を示唆するものである.さらに、第XII因子欠乏、抗phosphatidylethanolamine(PE)抗体陽性、抗cardiolipin(CL)抗体陽性不育症患者の妊娠中の第XII因子活性を測定したところ、抗PE抗体は第XII因子欠乏患者と同様の動向を示した。この事よりキニノーゲンを認識する抗PE抗体は抗CL抗体と異なり、第XII因子欠乏患者とともにカリクレインーキニン系の破綻が流産機序に関連している事が示唆された。
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Research Products
(5 results)