2008 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜間質細胞と共培養した不死化卵巣表層上皮細胞の細胞形質の変化に関する研究
Project/Area Number |
18591838
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大竹 秀幸 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (60336237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片渕 秀隆 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90224451)
田代 浩徳 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70304996)
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Keywords | 細胞・組織 |
Research Abstract |
今回、先ずはviral oncogeneを用いずに卵巣癌で報告されている遺伝子変異や増幅を正常OSE細胞に再現することで発癌過程を解明することを目指した。患者の同意を得て正常OSE細胞を採取し、この細胞にretrovirus vectorを用いてmutant CDK4、 cyclinD1ならびにhuman teromerase reverse transcriptase(hTERT)の導入を行い新たな不死化細胞株の樹立を行った。さらに、この細胞に種々の遺伝子を追加導入し、軟寒天培地における足場非依存性の増殖能、ヌードマウスにおける造腫瘍能の獲得について検討を行った。先の導入によって染色数と核型に異常が認められず、かつ正常OSE細胞の形質を保持した新規の不死化細胞株を樹立した。この細胞株にdominant negative p53、 mutant Krasを導入した細胞では足場非依存性の増殖能はみられるが、造腫瘍能は認められなかった。しかし、この細胞に活性型Aktを単独、もしくはc-mycとbcl-2を追加導入することで足場非依存性の増殖能と造腫瘍能を獲得した。Viral oncogeneを用いずに初めてOSEを不死化することに成功した。さらに、卵巣癌において比較的高頻度に変異・増幅が観察されるKras、Akt、c-myc等の異常を不死化OSE細胞株に導入することにより腫瘍形成が得られ、発癌には多段階の遺伝子変化の蓄積が必要であることが示された。更に、本研究の目的とする造腫瘍能を獲得した細胞株とhuman mesenchmyal stem cell(hMSCs)とを同様にSCIDマウスに移植した。その結果,腫瘍の形成が確認されが、目標とする卵巣癌に認められるような腺細胞に分化した癌の組織像は認められなかった。
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Research Products
(3 results)