2007 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌における核異型形成機構の分子生物学的解析および新たな癌診断法の開発
Project/Area Number |
18591839
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
市村 隆也 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (40423652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 隆明 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70168392)
宇高 直子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (90285106)
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Keywords | 子宮頚癌 / 核異型 / ヘテロクロマチン / DNAメチル化 |
Research Abstract |
1.子宮頚癌細胞診サンプルを用いたヘテロクロマチン構造の分子生物学的解析 患者の承諾のもと子宮頚癌患者より細胞診および組織診のサンプルを入手し、ヘテロクロマチン構成タンパク質HP1およびメチル化DNA結合タンパク質MBD1の免疫染色をもとに、癌化に伴うヘテロクロマチン構造変化(核異型として認識される変化)とこれらヘテロクロマチン構成蛋白との関係について解析中である。 2.DNAメチル化パターン変化とヘテロクロマチン構造変化との関係についての解析 抗MBD1抗体を用いたCHIPとBAC arrayを組み合わせたChIP on chipによりMBD1高度集積の見られるゲノム領域を特定。これら領域はヘテロクロマチン領域と重なり、核異型形成過程においてMBD1の集積部位に変化が起こり、これが核異型形成と関連していることを見いだし、癌学会において学会発表を行った。現在論文作成中である。 3.ヘテロクロマチンを形成する複合体の解析および癌細胞における変化についての検討 MBD1とpolycombタンパク質が直接結合し、ヘテロクロマチン形成に関与していることを見いだし、共著として論文を発表している。また、MCAF1が形成する複合体について、免疫沈降法を元としたアフィニティー精製法とmass解析を組み合わせることによりMCAF複合体構成蛋白を複数同定し、現在機能解析を進めている。 4.ヘテロクロマチン調節因子をターゲットとした新たな癌診断法の開発 ヘテロクロマチン関連転写調節因子であるMCAF1が癌組織で高発現していることを見いだした。MCAF1の新たな癌マーカーとしての可能性につき日本産婦人科学会で発表を行い、現在、熊本大学倫理委員会の承認のもと、ベンチャー企業と共同研究の形で臨床応用に向け、臨床・病理学的な検討を進めている。
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Research Products
(4 results)