2006 Fiscal Year Annual Research Report
強出力集束超音波を用いた子宮筋腫の無侵襲治療装置と治療法の開発
Project/Area Number |
18591846
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
市塚 清健 昭和大学, 医学部, 助手 (00338451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 哲也 昭和大学, 医学部, 助手 (60338449)
市原 三義 昭和大学, 医学部, 助手 (80424274)
梅村 晋一郎 京都大学, 医学部, 教授 (20402787)
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Keywords | HIFU / 動物実験モデル / 子宮筋腫 / 栄養血管 |
Research Abstract |
動物実験モデルを用いたHIFU照射実験 [方法]JWラビット大腿にVX2腫瘍細胞を移植した。移植3週間後に実験に供した(腫瘍系約3cm)。超音波カラードプラ法を用い腫瘍血管の血流を観察しながら、ドプラ信号の消失を目標に腫瘍栄養血管にHIFUを照射した。照射7日後にHIFU照射群と非照射群で腫瘍体積を超音波断層法で計測し、腫瘍増大率を比較した。腫瘍体積計測後に腫瘍を摘出し組織学的変化を検討した。HIFUトランスデューサーは焦点距離60mm、周波数2.2MHz、ピーク強度4kW/cm^2で、診断用プローブを一体化させ脱気水中から対象血管にHIFUを照射(1回5秒、3〜10回)した。[結果]HIFU照射群では腫瘍増大率は198.0±109.7%であったのに対しHIFU非照射群では527.6±462.1%であり有意にHIFU照射群で腫瘍増大率が抑制された。栄養血管を遮断した腫瘍は周辺および腫瘍中心に壊死が認められた。一方非照射群の腫瘍では壊死像は中心部にのみ認められた。[結論]HIFU照射により支配・栄養血管の血流を遮断することで支配領域および腫瘍などを壊死に導ける可能性が示され、胎児腫瘍などの低侵襲治療に応用できる可能性が示唆された。 子宮筋腫患者における術中HIFU照射 [方法]腹式子宮全摘術を予定している子宮筋腫の患者(5名)に開腹処置を行った後、子宮摘出する前に筋腫血管へHIFU照射を行った。HIFUトランスデューサーは周波数3.2MHz、焦点距離35mmとして、イメージングプローブを取り付け、超音波ドプラガイド下にHIFU照射を子宮筋腫血管に対して行った。HIFUはピーク超音波強度を2kW/cm^2(血管数n=3)および4kW/cm^2(血管数n=4)として5秒照射を複数回で行った。照射後に子宮全摘術をおこない、照射血管を病理組織学的に検討した。この研究は所属機関の倫理委員会の承認およびインフォームドコンセントを得て行った。[結果]HIFUのピーク超音波強度2kW/cm^2では、全例でドプラ信号の変化は認められなかった。ピーク超音波強度4kW/cm^2では、2例にHIFU照射によりドプラ信号の消失または減弱が認められた。病理組織学的には、HIFU照射した動脈壁細胞の核変化が観察され血管は狭窄していた。 [結論]開腹術下ではピーク超音波強度4kW/cm^2のHIFU照射により筋腫血管が閉塞できる事を確認した。本法は体外からHIFU照射を子宮筋腫血管へ行うことで腫瘍の縮小効果が期待する治療法へ臨床応用できることが示唆された。
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Research Products
(1 results)