2006 Fiscal Year Annual Research Report
非造腫瘍性ヒト正常卵巣表層上皮不死化細胞株を用いた上皮性卵巣がん関連遺伝子の同定
Project/Area Number |
18591848
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高野 浩邦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50226809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 恭輔 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30230452)
高倉 聡 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60256401)
岡本 愛光 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20204026)
落合 和徳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20152514)
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Keywords | マイクロアレイ / 卵巣癌 / 封入嚢腫 / 正常卵巣上皮不死化細胞株 / MET |
Research Abstract |
【目的】卵巣癌発生に関与する遺伝子の検索のために正常卵巣上皮(OSE)、封入嚢腫(IC)、樹立した正常卵巣上皮不死化細胞株(IOSEC)を用いてMenchymal to Epithelial Transition(MET)の関与を検討した。さらにIOSECとそのprimary culture(PC)細胞間で発現が異なる遺伝子を包括的ヒトゲノム発現解析によりスクリーニングし、卵巣癌発生に関する遺伝子の検索を試みた。 【方法】インフォームド・コンセントの下に採取した子宮体癌手術症例9例のOSE(n=10)、正常卵管上皮(n=4)、IC(n=92)、およびSV40 TAgで不死化したIOSEC(n=3)の形質を検索するために抗原マーカー(Calretinin, HBME-1,vimentin, EMA, Cytokertin)の発現を免疫染色法で検討した。さらにSV40 TAgで不死化する前のPCとIOSECからtotal RNAを抽出し、約33,000遺伝子の発現プロファイリングを行った。 【成績】1)種々の抗原発現よりOSEは中皮細胞の性格を示し、ICは中皮細胞の性格を失いつつ、単層円柱上皮細胞の性格を獲得しつつある染色結果となった。2)同様にIOSECにおいてもICに類似した染色結果が得られた。3)PCとIOSEC間で有意水準5%で発現差が認められた遺伝子は104種類であった。 【結論】ICはMET過程にあることが示唆され、IOSECはICと類似したMET過程にあるモデルとなることが示唆された。このモデルを用いてスクリーニングされた104遺伝子の中に卵巣癌発生に関する遺伝子候補がある可能性が示唆された。
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